11期・43冊目 『アンダー・ザ・ドーム 2』

内容(「BOOK」データベースより)

恐怖に駆られた町民たちが引き起こしたパニックで死者が続出。軍は障壁の外側から、ドーム破壊のためのミサイル攻撃を計画する。そんな中、一人の男が立ち上がった。その名はビッグ・ジム。町を牛耳る権力者。彼は混乱に乗じて警察力を掌握、暴力による支配を目論む。逃げ場のないドームの中で、絶対的恐怖政治が開始された!

障壁を破壊するするために政府は弾道ミサイルの発射を指令。周辺住民への避難勧告が出されます。
ドーム内でも標的付近の住民は退去させるために警官が駆り出されます。
退去対象となった地域に外部から訪れていた大学教授と教え子の歳の差カップルや親が買い物に出ていたために取り残された幼い姉弟がいたり。
新たに警官となったビッグ・ジムの息子ジュニアを始めとする若者たちは権力を持たされたのいいことに思うがままに行動するようになり、それは行き過ぎた暴力や薬物の横領、レイプといった形で表れ始めます。
いきなり大統領命令で大佐に昇進の上、町の臨時司令とされたデイル・バーバラ(バービー)ですが、第一町政委員を隠れ蓑に影の権力者であるビッグ・ジムがそれを容認するわけもなく。
むしろ新規雇用の警察官を使って、バービーを始めとして何かと小うるさい新聞記者のジュリアや事故死した警察署長夫人ブレンダなど反対派を粛清し、一気に町を牛耳ろうと画策していたのです。
そこには薬物の生産や公費横領など、決して明かすことのできない後ろ暗い秘密を抱えた事情がありました。


結局、兵器を使っても障壁は破れず、物理的に通ることができないことが判明すると、本当にチェスターズミルは孤立してしまったわけです。
そんな中でビッグ・ジムの目論見と共に町の空気が徐々に悪化してゆくさまが描かれており、目が離せませなくなってきました。
状況はことごとくビッグ・ジムに有利に働き(「波に乗っている」と表現)、反対派は次々と斃れてゆくさまが恐ろしい。
もっともビッグ・ジムと息子ジュニアは協力関係にあり、手段を選ばないところは共通していますが、ジュニアには精神的に壊れているさまが見て取れて、今後どこかで破綻しそうな気がしますね。
しかし、遂に牢に囚われてしまったバービー。
このままビッグ・ジムのなすがままになってしまうのか?
少年少女たちによる障壁発生装置調査の行方は?
いろいろと気になる点を抱えたまま後半へと続きます。