2期・23,24冊目 『日本沈没(上・下)』

日本沈没〈上〉 (光文社文庫)

日本沈没〈上〉 (光文社文庫)

日本沈没〈下〉 (光文社文庫)

日本沈没〈下〉 (光文社文庫)

GW中に実家から持ってきた本の再読第1弾。発行日を見ると1995年となっていますから実に12年ぶりの読み返し*1となります。
読み終えてみて、12年前より今の方がこの作品の面白さを充分理解できた気がするのですが、この大作を前に自分の拙い文章力では何を書けばいいか困っているのが正直なところ。ネット上にあるレビューの継ぎはぎしてもしょうがないし。


そこで困った時の箇条書き。

  • 1970年代が舞台となっているけれど、さほど時代は気にならない。作品自体のスケールの大きさと描かれる大自然の猛威の前には、たかだか30年ほどの差はあまり関係無いのではないかと。
  • 前半、自然科学の説明が長いところは退屈に感じることもあるが、後半になって日本列島が度重なる火山・地震に襲われ、同時に沈没が進行していく様は、引き込まれて読むペースがぐっと速まる。*2
  • パニック時に見られる人間のエゴや相互不信を描く一方で、危険を顧みずに同胞を救出したり、脱出後の為に奔走する人たちを描くなど日本人の美点となるエピソードが多く、感動的。
  • 最後の渡老人の台詞が印象的。やはり沈没自体より、日本および日本人のアイデンティティがテーマなんだ。だからあくまでも「第1部完」なのね。*3


地震国でかつ多くの火山をも抱える日本に住んでいる以上、単純に荒唐無稽と笑い飛ばせないテーマ。
筆者の力によって、日本列島が沈み往くさまをじっくりイメージできてしまうのがすごいです、とまとめてみた。
参考:ウィキペディア−日本沈没

*1:ビッグコミックスピリッツでの連載漫画を読んでいるのがきっかけでもありますね。リメイク映画はあまり見る気はないけど。

*2:当初複数巻とする予定を上下巻に短縮したせいかも

*3:第2部が昨年出版されたようです