パニック小説

80年代から90年代にかけてパニック小説というものを読んでいた時期がありました。時期的にも冷戦とか自然環境破壊とか世紀末(ノストラダムスの予言)とかテーマも色々あって流行もあったのかもしれませんが。
そもそも「パニック小説」というカテゴリーがふさわしい言い方かどうか、ちょいと自信が無いのですが、戦争・テロや異常気象・自然災害(それも普段とは比べようも無いくらい凄まじいもの)、なかには科学では説明不可能な超常現象によって、日常から否応無く非日常へと叩きだされて右往左往したり、生き延びる手段を模索する人類を描く小説、と言ってよいでしょうか。
何によってパニック化するかで、SFとかホラーにも重なる部分があるような気がします。


私自身、はっきり憶えているきっかけは核戦争ものの筒井康隆『霊長類南へ』だったかな。15,6歳の多感な(?)少年にはショックが強かったですねぇ。あれは。
その後読んだもので強い印象が残っているので小松左京日本沈没』・『首都消失』、矢野徹『地球0年』あたり。
ちなみに海外作品もいくつか読んだのでしょうけど、手元に無いのでわかりません。唯一憶えているのは映画も見た『ボルケーノ』くらい。
2000年前後からは楡周平や北上秋彦・高嶋哲夫などを読みました。この頃はテロやコンピュータの異常・暴走が取り上げられるようになりました。そう考えるとパニック小説とは社会情勢にも密接な関係があるのですね。


最近また興味を持つようになって『日本沈没』を再読したり、開高健『パニック』*1を買ってみました。西村寿行の一連のパニック小説も気になります。
火山小説では石黒耀『死都日本』が評価が高そうなので気になりますが、ハードカバーだけなんですよね。文庫化されないかな・・・。
他に面白そうなパニック小説があるか、ここは久しぶりに人力検索で質問してみようかと思っているところです。


【追記】
質問登録しました!実に4ヶ月ぶりの質問となります。
どれだけ回答が来るかわくわく。こういうの久しぶり。
question:1179549041

*1:文庫『パニック/裸の王様』所収