- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2005/06/14
- メディア: 文庫
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そもそも身代金や怨恨目的の為ではなく、犯人役(佐久間)と人質役(葛城樹理)の利害の一致により、狂言誘拐を成功させて自動車会社副社長(葛城勝俊)の鼻を明かし大金をせしめようという話。
基本的に佐久間らがいかに警察に捕捉されずに(狂言誘拐とばれずに)犯行を成功させるか知恵を絞るところがなかなかの見もの。誘拐ものの基本ですね。
視点が犯人側に限られている点が、読んでいていろいろ想像せざるを得なくさせるんですが、ところどころ「おや?」と思わせる部分が伏線となって、最後のどんでん返しに繋がっていく様はさすが。
ただ意識してか、主要人物(佐久間と葛城父子)のキャラはあまり魅力的でないです。一気に読めるストーリーの秀逸さのわりには読後感はあーんまり深く残りませんでしたね。
読後、ちょっと思ったこと。
- 姉妹喧嘩の末の殺人のくだりは話が雑だなあ。
- 本当の被害者は救われねぇ。
- ジュリを装って掲示板に書き込む葛城勝俊氏の姿を想像すると、ちょっと笑える。