2期・13冊目『ゲームの名は誘拐』

ゲームの名は誘拐 (光文社文庫)

ゲームの名は誘拐 (光文社文庫)

とある誘拐をテーマにした小説に関しての質問にて知ったのですが、久しぶりに歴史物以外の本を読んだ気がします。
そもそも身代金や怨恨目的の為ではなく、犯人役(佐久間)と人質役(葛城樹理)の利害の一致により、狂言誘拐を成功させて自動車会社副社長(葛城勝俊)の鼻を明かし大金をせしめようという話。
基本的に佐久間らがいかに警察に捕捉されずに(狂言誘拐とばれずに)犯行を成功させるか知恵を絞るところがなかなかの見もの。誘拐ものの基本ですね。


視点が犯人側に限られている点が、読んでいていろいろ想像せざるを得なくさせるんですが、ところどころ「おや?」と思わせる部分が伏線となって、最後のどんでん返しに繋がっていく様はさすが。
ただ意識してか、主要人物(佐久間と葛城父子)のキャラはあまり魅力的でないです。一気に読めるストーリーの秀逸さのわりには読後感はあーんまり深く残りませんでしたね。
読後、ちょっと思ったこと。

  • 姉妹喧嘩の末の殺人のくだりは話が雑だなあ。
  • 本当の被害者は救われねぇ。
  • ジュリを装って掲示板に書き込む葛城勝俊氏の姿を想像すると、ちょっと笑える。