5期・75冊目 『名探偵群像』

名探偵群像 (創元推理文庫)

名探偵群像 (創元推理文庫)

出版社/著者からの内容紹介
歴史に名を残したほどの人物なら、生涯に一度は難事件に処して推理の腕をふるったにちがいない――かくして生まれたのが本書である。遠くはアレクサンダー大王ダ・ヴィンチ、クック艦長から、アフリカ探検のリヴィングストン、ナイチンゲールまで、歴史上の偉人10人が登場する。エラリー・クイーンが絶賛する異色短編集!

歴史上の人物がそれぞれ身近に起こった殺人事件を解決するというもの。
登場する10人は以下の通り。

「名探偵アレクサンダー大王
「名探偵ウマル・ハイヤーム」
「名探偵レオナルド・ダ・ヴィンチ
「名探偵エルナンド・コルテス」
「名探偵ドン・ミゲール・デ・セルバンテス
「名探偵ダニエル・デフォー
「名探偵クック艦長」
「名探偵ダニエル・ブーン」
「名探偵スタンレー,リヴィングストン」
「名探偵フローレンス・ナイチンゲール

舞台となる時代も場所もそれぞれですが、だいたい欧州(特に英国)における有名人物が多く選ばれていますね。個人的にはアレクサンダー大王ナイチンゲールといった一部を除き、名前くらいは知っていても、具体的にどのような人物か詳しく知らない方が多かったので充分内容を楽しめなかった気がしてちょっと悔しかったです。
登場時点ですでに名をあげていて、その名声を頼りに事件解決の依頼があったり、または逆に命が狙われたりといったパターンですね。
事件の経緯として一番怪しい人物が最初疑われるも、名推理によって意外な人物の犯行と動機が判明するという王道パターンですが、初っ端の「名探偵アレクサンダー大王」は被害者が同時に探偵として毒が体に回っていく短い時間の中で加害者を推理するという変わった内容が印象深かったです。
それぞれ短いながらも主人公が置かれている時代の雰囲気についてはよく伝わってくるので歴史物としての面白さも感じられました。