妖魔の森の家 (創元推理文庫―カー短編全集 2 (118‐2))
- 作者: ジョン・ディクスン・カー,宇野利泰
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1970/12/11
- メディア: 文庫
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出版社/著者からの内容紹介
長編に劣らず短編においてもカーは数々の名作を書いているが、中でも「妖魔の森の家」一編は、彼の全作品を通じての白眉ともいうべき傑作である。発端の謎と意外な解決の合理性がみごとなバランスを示し、加うるに怪奇趣味の適切ないろどり、けだしポオ以降の短編推理小説史上のベスト・テンにはいる名品であろう。ほかに中短編四編を収録。
9月18日にリストアップした劇薬小説の中に入っていたのですが、どうもこれは私の勘違いかと思っていたのですね。
確かに表題作品は「妖魔の森」*1に佇む一軒家にて起こった少女の失踪事件がテーマとなっており、オカルト的な雰囲気が漂います。密室トリックを見破る見事な推理と意外な事実。amazonの紹介やレビュー通りに読者を唸らせる短編です。
しかし最後まで読んで、種明かし後はぞっと来ましたよ。*2
短編4本と中篇1本が収められていますが、どれも最後まで飽きさせない魅力を感じますね。最後の「第3の銃弾」にしても、有力な犯人候補には崩しようの無い事実が出てきたり、捜査側を撹乱させるような偽装工作に読む方も混乱しますが、最後はきっちり説明をつけます。
一昔前のイギリスの雰囲気がよく伝わってきていい感じです。
ある意味、読後感は良い作品ということで、いい方に裏切られた感がなくもないです。