2期・55冊目 『夏への扉』

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

あらすじはこちら(ネタバレあり)
ウィキペディア・夏への扉
以前から傑作SFとの評判が高いのを知りつつも、なかなか手が出せずにいたのですが、ようやっと読むことができました。そして期待に違わぬ面白さ、ぐいぐいと引き込まれてしまいましたね。
親友と恋人の裏切り、そしてダンに対する仕打ちにやきもきさせ、未来に行けば30年の年月を経たギャップと謎に直面して悩む。そして主人公ダンが思い切ってとった行動の末に・・・。


きっとSFに興味なくても楽しめるんじゃないでしょうか。特に主人公ダンが再度過去に舞い戻って奔走する様は80年代を風靡した映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を思い出させました。*1
そして猫好きにはたまらない小説かも。私は犬派ですが、作品に出てくるピートは賢くて好きだなぁ。


作品の特徴として、技術者たるダンによって多くの発明品が登場します。家事用ロボットや製図用タイプライターの原型が作られ、2001年にはそれらが発達した形で人間の生活を便利にしています。
まぁ現実でもPCをはじめ家電は30年前に比べればえらく賢く便利になったとは言えますが、小説の方が夢がありますね。
なんてったって、風邪が克服されたり、重力を制御する方法さえ見つけたのですから。かつては未来は明るいものを信じられていたのですねぇ。

*1:順番的には『夏への扉』の方がはるか前なので、映画に何らかの影響を与えたのかも。