2期・37冊目 『巡洋戦艦浅間 激浪の太平洋4』

あのね、前巻で総力をあげての作戦で、やっとこっさオアフ島を制圧したと思ったら、日本軍の苦闘はまだまだ続くんですよ。
まぁ確かに一局面の戦闘が終了したから終わりという訳でなくて、むしろ占領地は維持こそが難しい。浅間世界の日本においても、著者による補正(国力の底上げ等)はたかが知れているので、補給戦の長さは致命的ですね。


アメリカ首脳部の方針として、太平洋方面は軽視されているのに関わらず、それでも日本が相手するのは厳しい。多少の小細工では埋まらないほどの国力の違い。戦闘で勝利を収めども、いっこうに敵が弱くならないのが横山信義氏が描く日本軍ってとこですね。
以下、ネタばれあります。


史実では登場が遅すぎて見せ場の無かった米軍の新型巡洋艦・戦闘機・そして巨大戦車の活躍が充分見られます(笑)
それに対して日本軍のニューフェイスは戦艦「信濃」と軽巡「大淀」クラス、そして四式戦「疾風」なわけですが、そのへんの描写は・・・。*1


戦闘描写がじっくりと書き込まれているのは文句ないのですが、敵の戦力分析や戦術を見誤り、半端な戦力で出撃して痛い目に遭う日本海軍部隊がほんと毎度のことですねー。
あと、陸地に座礁させた艦の活躍で陸上部隊が救われるパターンは何回目だ?*2


ともかくようやっとパナマに繋がりました。
今回は繋ぎ的な内容で、目新しさよりパターン化をつい感じてしまいました。
それまでの戦争状況の推移がそれぞれの国にどういう影響を与えているのか不明な部分が多いまま、無理やり史実の出来事を重ねていく展開に無理を感じたのですけど。
それでもやっぱり、B36とマンハッタン計画は出すのですか・・・。

*1:戦艦「信濃」の錬度云々という会話がありましたが、多くの損害が出ているはずの米海軍の方こそどうなっているのか知りたい

*2:『修羅の戦野』と『蒼海の烈兵』で2回は記憶にあり