7期・13冊目 『碧海の玉座9』

碧海の玉座9 - トラック邀撃戦 (C・NOVELS)

碧海の玉座9 - トラック邀撃戦 (C・NOVELS)

内容(「BOOK」データベースより)
日英はエニウェトクの攻略に成功するも損耗激しく、「大和」「武蔵」の出撃が不可能となった。これを好機とみた米軍は大統領命令による「ハルバード」作戦を決行。太平洋の戦況を決すべく大艦隊を集結し、英太平洋艦隊の最重要根拠地トラックへの正面攻撃に打って出たのだ。制空権の防衛に死力を尽くす新型局地戦闘機「閃電」。英艦隊はキング・ジョージ五世とビスマルク級を以て米艦隊に挑むが、モンタナ級をも凌駕する新鋭艦「ケンタッキー」が立ちはだかる!激闘展開する環礁内へ、重雷装艦「大井」が突入するが…。

例によって、ルーズベルトと不愉快な連中による謀議⇒日英軍首脳の紛糾、そして始まったトラックを巡る戦いは航空戦⇒水上砲戦といういつものパターン。
見ものは今巻の売りであった英軍助っ人のビスマルク級の活躍と切り札重雷装艦の突入くらいでしょうか。それにしても超モンタナ級というべき46cm砲搭載のケンタッキーの無敵化によって帳消しですわな。
大和に勝ちたかったら砲口径を大きくすればいいじゃない、というのは安直すぎやしませんか?
戦局が逼迫している日本軍がグリフォンエンジン搭載の閃電という奇天烈な局地戦闘機えを出す意味もわかりません。
どうも本格・堅実さを売りとする著者らしくなくて、素人的な発想に見えてしまいます。


まぁ注目すべきは、シリーズを追うごとに戦争の終わり方が曖昧になってきたのが、もしかしたら史実に沿った結末を迎えるのかなってこと。
今まで日独にはイギリスおよび東欧諸国がついていて、いくらか展開は違っていたものの、いずれにせよ米ソの2大国がそれぞれ太平洋・欧州を制することになりそう。
日本もこのままではB29の跳梁を迎えるわけですが、おそらくその前にグァムを巡っての一戦があると思われますが、まるでゾンビ状態の米軍に対してジリ貧の日本軍。どうやって締めるのでしょうね。