7期・14冊目 『時空の旭日旗7 混沌の果て』

時空の旭日旗 混沌の果て (歴史群像新書)

時空の旭日旗 混沌の果て (歴史群像新書)

内容(「BOOK」データベースより)
1943年1月。日本は南遣艦隊分遣隊の活躍により再びティモール島を奪取。さらに当初の予定通り仏印上陸作戦をヴェトナム独立同盟とともに敢行。トンキン地方の解放に成功した。一方連合軍は、日本軍の基幹基地である内南洋トラック諸島へ、AA(米豪)航空軍による空襲を開始。防空空母『伊吹』などA情報兵器で対抗するも、日本は深刻な被害を被った。トラックに攻撃を集中させる連合軍の真の狙いはどこか?そして日本の反撃は?人気シリーズ第7弾。超時空シミュレーション戦記。

海空陸合わせた仏印上陸作戦は成功に終わり、現地ベトコン軍との協力体制もスムーズにいっているものの、内陸地での仏軍の抵抗によって侵攻には時間がかかる様子が描かれます。なんとか優勢を保っている東南アジア方面ですが、今度は中部太平洋ニミッツ主導によりトラック方面への攻撃が企図されるわけで。
戦線が広がり多方向に手当をしなければならない状況なのは変わらないですね。
史実よりはマシとは言えるのですが、連合軍も技術進歩が進んで1943年時点でB29が運用されていたり、生産体制が戦争モードに入って損害がすぐ回復されてしまうのはキツイ。
そこはA(あずみの丸)情報によって諜報に重点を置くようになった日本軍。今回は偵察・速度・対艦の性能が様変わりした伊号潜水艦の活躍が描かれるわけです。
そして、ついにトラックに来襲した米機動部隊を迎え撃つことに成功した日本軍。
しかし連合軍もさるもの、日本側の早期警戒体制の一つであるレーダーサイト潰しにかかり、その攻防が後半のメイン。
一つ一つの戦いはわりとあっさり省略されて結末が書かれるだけなのが物足りないとも言えるし、サクサク読みやすいとも言えるでしょうな。
消耗戦に入って戦局がやや膠着してきた感があるので*1、そこを今後どうやって打開してゆくのでしょうね。

*1:確かにサブタイトル通りではある