『彼岸島』

彼岸島 スタンダード・エディション(本編DVD)

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(あらすじ解説 彼岸島
明は二年前から行方不明になっている兄・篤が、彼岸島と呼ばれる孤島にいる事を教えられる。謎の美女・冷に篤を助けるために力を貸して欲しいと言われ、明は仲間とともに彼岸島に向かう。しかし、その島は既に吸血鬼と化した住人に支配されていた。明たちは吸血鬼と必死の闘いを繰り広げながらも兄を捜し、ついに再会する。篤を連れて帰ろうとする明。しかし、篤にはこの島で吸血鬼と戦わなければならない理由があった…

ホラーもしくはゾンビ映画と思って観てみたら、ツッコミどころ満載のソードアクション映画だったでござる。*1


いや、のっけから吸血鬼を弓矢と丸太で瞬殺。襲われていた背広姿の男がすぐさま吸血鬼として復活するところを躊躇わずに始末するあたりでこれは!と引き込まれたものです。
しかし謎の美女・冷の話を聞いて明が兄・篤を助けに仲間たちと彼岸島に乗り込むあたりは唐突すぎる&ツッコミたくなる展開が続きましたわ。冷に頼まれた(?)不良グループが明を追い掛け回すシーンに意味があったのだろうか。*2一応背景の事情や人物紹介を兼ねた序章なんでしょうけどついていけない・・・。


島に上陸早々に村人たちに囲まれて牢獄に入れられてしまう明たちも間抜けですが、それ以上に抜けているのは目の前で鍵を落としてしまう牢番ですな(笑)
シリアルキラーの巣窟もかくやと思われる恐ろしげな実験室に連れこまれたケンを救い出し、なんとか逃げ出すことに成功します。その前に別行動を取ったメンバーの方は死亡フラグたったかな?と思ったのですが当たらずも遠からず。一人除いて偶然篤と合流し旧日本軍の施設内で休息を取ることに。そこには大量の武器が残されていましたが、なぜか使えるのは刀だけだったりします(篤だけは爆薬というか手榴弾みたいな武器を使ってる)。
そこに一人逃げ遅れていた仲間の一人・ポンがやってきて仲間たちへの憎悪をむき出しにします。自分から単独行動をとったくせに一人ぼっちにされた恨み言を連ねる。お前が勝手に行ったんだろ!と鋭いツッコミされてしまうと、いきなり逆ギレして目の前で徐々に吸血鬼へと変化していく。あれ?そういえば死んでから吸血鬼になるんじゃなかったっけ?
まぁそれはともかく、襲われても刀が抜けない明の甘さが目立ちます。ここだけでなくなぜか明は吸血鬼たちから目の敵にされてやられまくりながら、咬まれないんですけどね。主人公の特権か。
それに比して手際良く吸血鬼たちをあしらう篤の方が数倍格好いい。
そして逃げる中で鳥の化け物にユキが拉致されてしまうのですが、兄に向かって見捨てて逃げたことを詰る明。いやそれはいくらなんでも無理だろ・・・。


その後レジスタンス組織に合流する篤と明たち。鎖でつながれている巨人の師匠といい、刀や槍で武装する忍者部隊といい、きっと事情はあるのでしょうが不思議な方々です。
いろいろあって修行して覚醒した明は専守防衛主義のレジスタンスとは決別してユキを助け出すために敵地へ向かう。それとは別に兄の篤も向かったらしい。その先でのパワーアップした電鬼*3との戦いは見ものです。
電鬼戦後、冷の寝返りもあったりしてなんとか怪鳥おばばを倒し、要塞内部に侵入して決戦かと思ったら恐竜じみたクリーチャーが出てきて吹き出してしまいました。いくらなんでもあれはないだろ・・・。
颯爽と明たちやレジスタンス組織も駆けつけたのに完全にやられやく。頭潰したのに復活とかよくわかんない。ドラゴンゾンビかよ・・・。
そんな中、全編通して異様な存在感のあった敵ボス・雅と篤の殺陣がクライマックスですね。雅強すぎで、途中で参戦した明も押されがち。なんだかんだで篤の自己犠牲があって雅を仕留めてめでたしめでたし。でも実はやられてないよ的なラストはお決まりですな。


まぁ、戦闘シーンではそれなりに見ごたえはあったとは思います。ただ唐突だったり意味不明なシーンが多いし、雅と篤以外の主要キャストは存在感があまり無かったかなぁ。
おそらく原作ではちゃんと設定があったりするのでしょうが、映画化につき多くが等閑にされたというよくあるパターンなんでしょうね。

*1:原作はヤングマガジン連載の漫画であったことを知ったのは観た後

*2:ふと劇場実写版ビーバップハイスクールを思い出した

*3:吸血鬼の中でも特別戦闘力が高い