4期・12、13冊目『覆面作家の愛の歌』、『覆面作家の夢の家』

覆面作家の愛の歌 (角川文庫)

覆面作家の愛の歌 (角川文庫)

覆面作家の夢の家 (角川文庫)

覆面作家の夢の家 (角川文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
ペンネームは覆面作家―本名・新妻千秋。天国的美貌でミステリー界にデビューした新人作家の正体は、大富豪の御令嬢。しかも彼女は現実に起こる事件の謎までも鮮やかに解き明かす、もう一つの顔を持っていた!春のお菓子、梅雨入り時のスナップ写真、そして新年のシェークスピア…。三つの季節の、三つの事件に挑む、お嬢様探偵の名推理。人気絶頂の北村薫ワールド、「覆面作家」シリーズ、第二弾登場。

こないだ1巻を読んだばかりでしたが、もう2,3巻を続けて読破してしまいました。こういうシリーズはやっぱり探偵&アシスタントの魅力がものを言うと思うのですが、その点はヒロインはお嬢様で覆面作家、しかも2重人格に近い極端な外弁慶という千秋さんは当たりでしたね。
それゆえ謎解きもさることながら、編集者・岡部良介(リョースケ)と千秋さんの関係もどうなっていくかが気になりますねぇ。*1
2巻以降、ライバル社の女性編集者や先輩作家といった新たな人物も加わって賑やかになった反面、われらがリョースケ君の影が若干薄くなってしまった気がするのは気のせいか?


そして話が進むに連れて、よりミステリっぽさが強くなった気もしますが、日常的なところから意外性にあふれるネタの取り上げ方が著者らしくていいですね。例えば3巻の「覆面作家、目白を呼ぶ」は蜂の習性と人間の心理が巧妙に取り混ぜて描かれているし、最終話「夢の家」はドールハウスを舞台にした「殺人事件」で詩歌に関連した知識*2が鍵に謎解きをしていったのが気に入ってます。

*1:まぁ結局は期待通りなんだけど

*2:自分は全然わからなかったけど