2期・34,35冊目 『呪われた町(上・下)』

呪われた町(上) (集英社文庫)

呪われた町(上) (集英社文庫)

呪われた町(下) (集英社文庫)

呪われた町(下) (集英社文庫)

前半はセイラムズ・ロットに済む人々の暮らしを生生しく描き、後半は少しずつ闇に取り込まれていき、町全体がまるで死病に取り付かれたように活気を失っていく・・・。
どんな展開が待っているのか大体予想がついているのに、先が気になってページをめくる手が止まらない。そんな作品でした。


描写が生生しくても、1970年代アメリカの田舎町の暮らしというのが、ちょっとわかりにくい点はありましたけどね。でも登場人物が感じる恐怖が非常によく伝わってきます。
土壇場、バーローの最後のシーンなどはまるで映画を見ているような迫力でした。


小野不由美屍鬼』が『呪われた町』のオマージュであることは有名ですが、『屍鬼』未読でも既読でも読み比べてみるのも面白いと思います。
例えば、どちらも少年が捕まってロープで縛られるシーンがある*1のですが、どういった運命を辿るのか、また吸血鬼化した人々と生き残った人々との戦い。そしてもちろんラストも。
それぞれが作品の中でどういう意味を持つのか、考えさせられて興味深いですよ。

*1:呪われた町』ではマーク君、『屍鬼』は・・・名前忘れた