66冊目 『霧の訪問者 薬師寺涼子の怪奇事件簿』

霧の訪問者 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社ノベルス)

霧の訪問者 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社ノベルス)

楽しみに読んでいるシリーズですが、今回はどうもパワーダウン気味なような・・・。
秘密組織の謀略を痛快な手段で破ったり、異形の化け物との手に汗握る闘いとか、そういった展開は無しです。
敵役であるロートリッジ家とその私兵軍団も、いつの間にやらやられているし・・・。むしろ脇役の女装軍団の乱闘騒ぎの方がパワーがあったのではないかと(笑)
準ヒロインとも言えるアーミテシアに関しては、他人によるその秘密の暴露だけでなく、もう少し本人の使いようがあったのではないかと勝手な注文をしてみる。


今回も戦う美少女メイドのマリアンヌとリュシエンヌの活躍が目立ちました。
回を追うごとに活躍の場面が広がっているようですが、結構人気あるんですかね?
本職のパリの別荘の方はどうなっているのやら。


そういえば部下(あるいは召使い、あるいはナイト?)である泉田準一郎および室町由紀子との微妙な三角関係もどうなるか気になるところです。
おそらくシリーズを重ねても歳を取らずに変わらないお涼の美貌と同じく、微妙なままなんでしょうな。


あとシリーズを通して、時事ネタがよく絡んできますね。
登場人物の台詞を通して、作者の考えていることを主張するってのはいいんですけど、単に現実の気に入らない人物に対しての当てつけっぽい悪口だと、ちょっと白けますね(どのへんが、とは言いませんが)。
さりげない風刺というか、わかる人だけがニヤリとできるような気の利いた表現を期待したいところです。