4冊目 豪屋大介『A君(17)の戦争』9われらがすばらしきとき

A君(17)の戦争9 われらがすばらしきとき (富士見ファンタジア文庫)
実に9ヶ月ぶりの新刊である。ダイスケ繋がり*1で読むようになったラノベ唯一の作家だが、何も新シリーズを始めた途端に既存シリーズの刊行が遅くなるところまで佐藤御大に似なくてもいいのに。おかげで前巻までのストーリーがすぐに思い浮かばない。


魔族軍の大反撃の予兆を残して、またうまい具合に引き伸ばされたなという感じ。魔王領王都の攻防戦が終結することによって、シリーズの終結になることが予想されるのだけど、あと2巻(1年半〜2年)くらいかかるか(苦笑)。完結させてくれることを切に願う(ノД`)


シリーズ共通で思うのだが、ファンタジー世界における魔族対人族という戦争の様相を、単純に善悪で決め付けず、双方の戦略・戦術(おまけに軽視されがちな兵站まで)をそれなりに描いているのだから、内容は文句言わないけど世界概略図や戦況図くらいは欲しいところ。仮想戦記と違って書いてくれる人はいないのだろうか?


ところで、へぇと思ったのが後書きについて。
戦争を書くことで「ネトウヨ」呼ばわりされるとは・・・。1960〜70年代じゃあるまいし。まだそんな風に決め付ける人がいるんだ。
でもそれって市民運動*2やっているから左翼だのプロ市民だの決め付ける人もいるらしいから、気に入らないものにレッテル貼りする風潮はいつになっても変わらないのだろうなぁ。

*1:佐藤大輔豪屋大介は同一人物だという噂もあるが、否定する意見の方が強いように思われる(2ch佐藤大輔スレで論争になった)。一応、写真で見た限りは全くの別人。豪屋大介佐藤大輔の影響を受け、それがよくわかる小説を書いていることが根拠になっているようだ。尚、豪屋自身も佐藤御大のファンだと後書きで記述している。

*2:いわゆる左翼政党の影響下にある市民運動も多いだろうが全部がそうじゃないだろうと思う。