人を肴に笑いを取るのはほどほどに

学校でも職場でも酒の席でもいいですが、そこに居ない人を話題にして盛り上がるというのはよくありますよね。それが面と向かって言えない偉い人に対する愚痴だったり、もしくは本人に聞かれても苦笑で済む程度ならいいですけど、普段は仲いいくせに裏で悪意・蔑視・中傷でもって馬鹿にして笑いを取ろうとする話ばかりだと聞いている方もいい気分じゃありません。しまいには品性を疑われて話を聞いてもらえないばかりか、逆に話のネタにされるのがオチ。


4月ということで、進学・進級・新社会人のシーズンですね。それで思い出した、私の大学入学時の話です。
辛かった受験を終え、大学に入学したからにはきっと楽しいことが待っているだろうし、今までできなかった分いろいろと始めてみたい。
そんな期待に胸を膨らませた新入生の時期、とりあえず一人じゃ寂しすぎるので、最初は友達作りから始めるわけです。ちょうど入学当初はオリエンテーションなど学科ごとの行事があるので、隣の席に座った縁とかで話しかけたりして徐々に仲良くなったりして。
2,3日すると自然に集団ができてきたりわけですが、初対面の人にあんまり積極的話しかけられる方ではなかった私があるグループに入れたのはSのおかげだったというのが大きかったです。Sは特別口がうまいというわけでは無いのだけど、ちょっと喋っただけで「コイツ、いい奴だな」って思えるような人っているじゃないですか。そういう人柄の良さがにじみ出ているようなタイプだったのですね。
いつの間にやらSは同じ学科の先輩と話をつけて私たちのグループ(男6:女4くらいだったと思う)はあるにわか仕立てのお遊びサークル*1にも参加することにもなり、授業後もよく行動を共にしていました。まだ人間関係が固まっていない時期なので、流動的ではありましたが。


その中の一人、Yは同じ浪人生から入学したということと帰る方向が途中まで一緒というのもあって、自然と話をする機会が増えました。
Yはお喋りで世話好きなタイプ。まだ人間関係にぎこちなさがある時期だけに彼のように率先して引っ張っていってくれる人物は何かと助かるわけです。
ところが時間が経つと、徐々に彼の欠点が浮き彫りに。というのは知識をひけらかす癖があって、それだけならだましも「それを知らなかった」相手に対して後から「アイツって無知だなぁ」と見下すんですな。それから趣味の話なんかもするようになるじゃないですか。それを後になって「どこがいいのか?」「暗い」などと言う。さっきまでにこやかに話してていた当人をだしにして嗤う。


これがまぁ数年の付き合いがある人間関係ならば、どこまで言っていいことか悪いことかお互いわかってくるでしょうが、まだ会って一ヶ月程度という微妙な時期。それも堂々と相手に対して言うのならまだしも、陰で言うなんて行為は誰にも好まれるものではないです。
しかも一人ではなく、男性陣数人に対してやってしまった(後で聞いたところ、Sや私も含まれていた)。そして不思議と女性に対してはやらない。さらに何かにつけて女性贔屓が露骨で格好つけたがりだったのも嫌われる原因だったと思います。
言っている本人はその場かぎりの笑いを取ったつもりなのかもしれなかったのけれど、積み重なれば、そういう人間なのだと評価されるわけで。
そして6月頃、私たちはYに対してはっきりと「オマエとは今後付き合えない」と宣告、決別するというヘビーな展開をしちゃったのですね。


その後、Yとは一切話すことはなく、彼は別のグループにちゃっかり入りこんでいたようです。果たして反省したのかどうかはわからないけど。
ちなみにYを除く私たちのグループは多少メンバーは変わったものの、卒業するまで何かとつるんでましたね。何人かは卒業後も連絡しあったりしてましたがそれはまた別の話。


社会に出ると、いろんな立場の人と接する機会が増えて人間関係が複雑になり、言いたくても言えないことがあるのは当たり前。本音と建前の使い分けも、日常的に接する人に対して言えない不満が積もり積もるとストレスとなります。
そこで酒の席などで上司を始めとする上の人・取引先・同僚などをだしにして盛り上がるのは普通だしある意味ガス抜きでもあるんですよね。その場限りで言いたいことを言うみたいな。だとしてもやりすぎて顰蹙を買わない程度に済ませないといけないですね。

*1:一度GWに高尾山に行った後、サークルとしては自然消滅