- 作者: ラリイ・ニーヴン,小隅黎
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1979/01
- メディア: 文庫
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収録作品はこちら。
- 時は分かれて果てもなく
- 路傍の神
- 霧ふかい夜のために
- 待ちぼうけ
- ジグソー・マン
- 終末も遠くない
- 未完成短編一番
- 未完成短編二番
- スーパーマンの子孫存続に関する考察
- 脳細胞の体操──テレポーテーションの理論と実際
- タイム・トラベルの理論と実際
- 無常の月
- マンホールのふたに塗られたチョコレートについてきみには何が言えるか?
- 地獄で立往生
通常の短編小説・ショートショートの他、SFに関連したさまざまな考察もあります。
「スーパーマンの子孫存続に関する考察」は、スーパーマンは子孫を残そうにもその超能力が仇となって夫婦の営みも満足に行えないだろうと勝手に決め付けて(笑)、いかにしれば子作りが可能になるかとあくまでも真面目に科学的に考えてしまうという内容でとてもユーモアに富んでいます。一頃流行った空想科学本を思い起こしますね。*1
テレポーテーションやタイムトラベルに関する考察も硬さの中にちょっとしたユーモアが散りばめられていて、ハードSFファン好みな内容でしょう。
それに関連させたのか、時とパラレルワールドに関する短編も選ばれてますね。
やはりこの中でも一番良かったのは地球最後の日(?)を描いた「無常の月」ですね。
月の異様な輝きから太陽が地球を焼き尽くすほど肥大していることがわかり、最後の夜明けを待つというお話。
実際、地球に大災害を及ぼすような天体異変は早くから察知可能なような気がしますが、この中で描かれているように突然終わりがくることだってあるかもしれません。
そうなった以上、無駄にあがくより、主人公のように愛する人と思いのまま最後を過ごせたらいいですね。
しかし、一晩で何もかも終わるかと思いきや、すぐ死ぬわけでなく緩やかな異常気象が続くのがわかると今度は食事などの日常生活を心配しなければならなくなる。結果的にどっちが良かったのか、なんともいえない結末です。
*1:SF作品の趣向としては以前からあるものだけど