4期・26冊目 『アンデッド』

アンデッド (角川ホラー文庫)

アンデッド (角川ホラー文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
おまえの怨みを晴らしてやろう。かわりにおまえのからだを貸せ。それは、不死者からの恐怖の呼び声だった―。不知火高校で起こる凄惨な連続殺人事件。被害者は全員、同じ不良グループに属しており、殺される前に、奇妙な電話を受けていた。しわがれた男の声が告げる「…ニワメ、…ニワハ」の謎とは?異形のものが見える少女・神山美咲が真実に挑む!大藪春彦賞作家が、本当の恐怖を描く、書き下ろしホラー最新作。

執拗ないじめを受けていた高校生がある廃病院の地下に閉じ込められて、絶望のあまり自殺しようとしたら、そこに封印されていた凶悪な連続殺人犯の霊に憑依されて、復讐のごとくいじめグループの不良少年たちを残虐な方法で殺害してまわる。
歴史上のオカルト事件を再現するかのような拷問の場面だけが特殊ですが、本筋としてはよくある少年少女ものホラーのパターンっといった感じであまり捻りはなかったですね。
いわゆる憑依もので、元人格の人間離れした能力が発揮され、憑依されている間は記憶に無いために犯人探しは難航する。
そこで、ちょっとしたきっかけで霊感あるヒロインが勘付き、一転して彼女が狙われるという流れがやや強引ではあります。ちゃんと”いじめ”に関する伏線があるのでそこをもう少し踏み込んでみても良かったかも。
それとタイトルでもあるアンデッドらしさは特に見当たらないんですよね*1。連続殺人犯がアンデッドってこと?でも憑依するから霊だろうなぁ。
物語のテンポはよくてサクサク読めるけど、ホラー好きとしては印象はまあまあですね。

*1:最後に殺害される不良少年のリーダーがはまっているゲームがゾンビを打ち倒していく内容がまさにそのものですが