3期・81冊目 『タイムスリップ戦国時代』

タイムスリップ戦国時代 (講談社ノベルス)

タイムスリップ戦国時代 (講談社ノベルス)

内容(「BOOK」データベースより)
ある日突然、あの『太閤記』が伊達政宗の伝記小説に変化した!何者かが戦国時代の史実を変え、正史を歪めている!?背後にいたのは25世紀のマフィア組織 “むらさきの光”。本来の歴史を生きる人類を淘汰し新世界を創るため、彼らは策謀する。日本、否、世界の危機を救うべく、歴史を再び正すため、女子高生麓麗がまたもタイムスリップして戦国の世に挑む。

森蘭丸たちとバンドを組んで「敦盛」を熱唱する織田信長。インターネットの巨大掲示板「武ちゃんねる」をまめにチェックして時には自作自演の書き込みをする豊臣秀吉。テレビのお笑い番組を見て笑う徳川家康。そして携帯電話のメールで想いを伝えあう明智光秀濃姫・・・。
森野パイン、犯罪者でありながら森野と組むことになった剣崎薔薇之介、そして21世紀の女子高生麓麗ら3人組は、25世紀の凶悪犯・ダテクニヒコ*1による歴史改変を阻止するために、タイムマフィンで戦国時代へタイムスリップして大名に接触しながらダテクニヒコ一味と戦うというストーリー。


一応、戦国時代の解説もあるのですが、歴史ものとして読むと肩透かしをくらうので、あくまでもパロディとして楽しむのがいいみたいです。現実でも流布されている逸話や異説をさらっと入れたり、「前に自衛隊が戦国時代にタイムスリップした〜」あたりはセンスいいなぁと思えたのですが、2008年に流行ったお笑いネタや芸人まで出てくるのは余計に思えました。


メインである歴史改変をめぐる戦いに関しては行き当たりばったりというかトンデモ。麗が史実通りに北条早雲を勝たせるために自転車を作らせたのをきっかけに、ボウガン・自動車・電話・テレビ・携帯電話・パソコン、果ては榴弾砲から航空機まで登場してしまう。解説読むと、携帯電話を使う戦国武将を書きたかっただけちゃうんかと。
それから、ダテクニヒコ一味が凄腕と紹介された割にはタイムボカンの悪役3人組並にドジなのが情かったですねぇ。*2まぁ歴史上の人物も書かなきゃならないしで、北条早雲の時代から関が原まで駆け足になった上にいろいろ盛り込み過ぎて、よくわからないうちに結果オーライで終わってしまった気がしましたね。

*1:この名前もパロディとというかまんま→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E9%81%94%E9%82%A6%E5%BD%A6

*2:キャラクターが中途半端なのは他もそうだけど