3期・57冊目 『ストーカーズ』

ストーカーズ (ハルキ・ホラー文庫)

ストーカーズ (ハルキ・ホラー文庫)

内容(「BOOK」データベースより)
どこにでもある新興住宅街のアパートで、その前代未聞の事件は起った。血まみれの現場には、臓器を取り出され、全裸となって変わり果てた美人OLの姿があった。しかも臓器の一部を持ち去られて―。いったい被害者の身に何が起ったというのか?やがて、彼女を執拗につけ狙っていたものが、次々に浮かび上がるが…。鬼才・友成純一の描く戦慄のストーカー世界、書き下ろし。

あの友成純一の著作の中で入手しやすかったというだけで選んだ作品なんですが、この人の著作の中では、劇薬度としてはおそらく中の上程度なのかもしれんです。それでも出てくる人物がほとんど変質者(刑事も女性も例外なく。だからストーカーズなのかと)と言ってよく、めくるめく変態さんの世界へとご案内。登場人物の救いの無さという点では、最近読んだ『彼岸の奴隷』の上をいってるかもしれんですな。


一応、ホラー仕立てではあるものの、変態的妄想と過激なスプラッタ描写が多く、まぁ普通の人ならば吐き気を催すシロモノ。ただストーリー的にまとまりがなく、緊迫性に欠けるので、さほど後には引かないと思うのですが。
ストーカーの一人*1が妄想と現実がごっちゃになって、なにものかに取り憑かれてしまう後半は少し頭痛くなります。最後はオカルト的な締めくくりで幕を引くのですが、ちょっと納得がいかないというか・・・。

*1:昼はお堅い仕事できっちり日常と非日常を分けていられたのだが