- 作者: 横山信義
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2008/05
- メディア: 新書
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人物としては、こんな人達にスポットが当たっています。
横山作品では連合艦隊司令長官での見せ場はないけれど、軍政家としてしばしばいいところを見せる人。今回は最後で驚きの演出をやってくれました。あそこまでの対米避戦徹底が実際に可能かは疑問視ではありますが。
軍人は政治に関わってはならないのがモットーの著者好みの人物。『修羅の波涛』でも良く書かれていたし。この人の関東軍はよくまとまっているようです。
- 野村吉三郎
日米交渉では欠かせない人物ですけど、架空戦記でこれほど登場するのは珍しいかも。1,2巻では対米避戦がテーマだからか。コーデル・ハルは内心彼を評価してたりして、なんかツンデレ気味。
- 細萱戊子郎
第5艦隊の要職にありながらも非常に陰の薄い人物。てっきり他の人を持ってくるかと思ったらそのまま起用なんですね。1巻ではちょっと無様なところ見せちゃったのは無理ないとしても、一度実戦を経験したせいか、今回は多少たくましくなってきてる。
- 海軍参謀・和倉良平中佐
架空の人物らしい。陸海軍協力と情報収集の上で、現場解説の狂言回し的な役割。
最後の展開から今後の展望(ネタバレ)
ソ連極東軍がほぼKOされ、ついに樺太沖版盧溝橋事件陰謀説って感じで日米開戦という流れ。明言されていないけど、ルーズベルト大統領がかなり怪しいですな。正義のために手段を選ばないアメリカの悪しきイメージが強調されている。最後にしっぺ返しがくるんじゃないかと期待しているんですが。
大陸の状況は史実の中国内戦よりかなりまし&イギリス軍は無力化されたとはいえ、先制を許す(?)状況*1となり、果たしてどうなっていくのか。ひたすら守りを固めて出血を強いるだけでは後々苦しくなっていくしなぁ。
*1:最後の場面でB17の大群がトラック基地へと飛び立つ