2期・78冊目 『フランス史10講』

フランス史10講 (岩波新書)

フランス史10講 (岩波新書)

内容(「BOOK」データベースより)
フランク王国百年戦争絶対王政フランス革命、一九世紀の革命、二つの世界大戦、「五月革命」など二千年余の激動の歩みを一冊でたどる。教会と国家、中間団体、名望家国家、政治文化など重要なテーマも掘り下げながら、「ヨーロッパ地域世界の中のフランス」という視点を軸に、フランス史の独自性を描き出す斬新な通史。

上記引用の冒頭に書かれたような有名な出来事については、様々なメディアで触れられているし、その独特の文化や気質についても何となく知っているつもりです。
でもフランスという国家はどのような成り立ちで今日までの歴史を歩んできたのかはよくわかっていないなと思い、本書を読んでみる気になりました。


通史ということで、どういった流れで重大な事件が起こったのか、封建制などの制度がどういう変遷があったのかはわかりやすかったです。
反面、外交関係は飛び飛びでイギリス・ドイツ・スペインといった隣接国家が登場するので把握しにくい。さらに宗教や革命について深く理解したいと思っても物足りない。*1
でも、あくまでもフランス史入門としてならば充分なのでしょうね。
フランスがカトリックの国になった経緯やフランス革命以降に社会党系が長らく与党の座についていたことなどが順を追ってうまく説明してあると思います。


日本とまったく違う大陸国としてのフランスの歴史。王政や宗教がどれほど密接に影響を及ぼしてきたのか、実感はわかなくてもそういうものだと理解するには手っ取り早い一冊ですね。

*1:日本史の明治維新フランス革命を比較したくだりは面白かったですね。