2期・28冊目 『襲撃者の夜』

襲撃者の夜 (扶桑社ミステリー)

襲撃者の夜 (扶桑社ミステリー)

本屋で目立つところにあったので買ってしまいました。初ジャック・ケッチャム
さて、どれくらい凄いのだろうと覚悟というか期待して読んだけれど、思ったほどでもなかったです。*1 『オフシーズン』の続編ということなのですが、前作に比べて残虐シーンの描写が控えめっぽいのだとか。


まぁそうは言っても、よくホラーものであるようにこの世の物でない存在だの見るからに気色悪い生物といった魑魅魍魎が襲ってくるのではなく、人間の形をしているのにまったく人間らしくない「襲撃者」*2なところが逆に怖いといや怖い。途中からもう「襲撃者」の正体のネタばらしはされているので不安は感じないけれど、洞窟内のシーンはやっぱり痛い。痛すぎる。
あのぅ、ナイーブな人はこれ読んだ後に食事はしない方がいいです。


特色としては、DVというか人格障害な男(クレアの夫・スティーブン)を配置したところ。おそらく現代では絶滅していそうな「襲撃者」の一族よりも、現実にいそうなスティーブンのような男に嫌悪感を覚えますな。
そして「一見したところ、無力な人々が、自分でも思ってもいなかった力を発揮」*3するところ。母は強し。そのへんがただのホラー物に終わらない点として感じましたね。


順番が違ってしまったけど、やっぱり『オフシーズン』も読まなきゃ。読後まともなレビュー書けるか心配ですけど。

*1:あくまでもジャック・ケッチャムという作家の評判と比べて、ということで

*2:「食人族」とも表現される

*3:著者あとがきより