2期・15冊目 『69』

69(シクスティナイン) (集英社文庫)

69(シクスティナイン) (集英社文庫)

村上龍の自伝的小説。
世の中楽しんだもの勝ちという著者のポリシーの如く、何だか楽しくかつテンポ良く読める物語。なんだかんだ理屈並べても結局は好きな子の気をひくためだったり、後先考えずにバカやったりするところが自分の高校生時代を思い出しますね。
ただ、世代の違いというか、さすがに生まれる前の時代の空気は今ひとつわかりにくいなぁ。例えば全共闘とか校内のバリ封*1とか言葉では知っていても、そこから浮かぶ熱気みたいなものは理解しにくい。19"89"ならば大いに共感できたかもしれん、と思った30代の私でした。
ただ、力で押さえつける大人とそれに反抗する10代という面では、自分らの頃でも残っていたけど、今はだいぶ様変わりしてますよね。