2期・14冊目 『GO』

GO (講談社文庫)

GO (講談社文庫)

なんとなく『フライ,ダディ,フライ』のスンシンにややキャラがかぶる本作の主人公・杉原は「在日」朝鮮人(後に韓国籍に変更)の3世。
「在日」というなんとも複雑な問題は横に置いておいて、突然に目の前に現れて恋に落ちた少女・桜井とのことや、朝鮮学校の親友や唯一と言っていい日本人の友人・加藤との交際など、あくまでも主人公の高校生活を描く作品でした。
本人は日本生まれの日本育ちで、あまり国籍とか人種というものに頓着せず、むしろ深い考えなく拘ることに軽蔑すら抱いています。
しかしそういったものは本人の意思に関係無く、未だ10代の彼の対人関係のなかで重くのしかかってきて、孤軍奮闘する様に思わず応援したくなったりしますね。


でも運動神経抜群で、喧嘩は無敵、勉強は嫌いだけど頭は良い。歴史・哲学・人類学の知識があり、洋楽・映画にも造詣が深い。そんな高校生は完璧すぎて親近感わかないなぁ。*1

*1:今思うとブルース・スプリングスティーンだのキム・ベイシンガーだの話題にする高校生って一体・・・。特に記してないけど、時代設定は80年代?