25年前の自分に戻ってしまったら？

あなたは突然死にました。 そして気がついたら25年前の自分に戻っていました（記憶は死んだ時のまま）。 その後の人生をどう送りますか？ 生まれ変わった直後の状況からその後の25年間をどう過ごすであろうか、回答してください。 ※準備や心構えなどをする時間は一切ありません。 【お願い】 生まれ変わった時の年齢について必ずしも書く必要はありませんが、その後の人生を送る上で必要があれば、ある程度わかるように書いてください（学校の勉強とか就職とか）。 回答回数は2回にしましたので、2回目を書かれる場合は一度生まれ変わった人生（1回目）が失敗してまた同じタイミングで死んだやりなおすという想定で回答してください。その際は1回目の失敗の経過についても書いていただければ幸いです。 質問の趣旨的に25歳以上の方に回答願います。
回答結果次第で自分でも書いてみようかと思っていましたが、予想以上に内容の濃い回答をたくさんいただき、書きたいことはほぼ出てしまっているのでやめておきます（笑）
もともと2年ぶりにタイムスリップ系質問をしようと考えていたのですけど、あえて何歳ではなく25年と固定して、どのような生まれ変わりとなるか人によって状況が違うようにしたのは結果的に良かったと思います。

実は質問前に回答をある程度想定してました。

• 記憶を頼りに投資やギャンブルで儲けて金持ちになる
• 預言者になる
• 自分の失敗・事故などを回避する
• 挫折した夢（仕事・趣味）を続けてみる
• 親や祖父母、友人など人間関係をもっと大切にする
• 死んでしまった親しい人を救う
• 異性関係で現実とは違う人を選ぶ
• 有名な事件の場に行って歴史を変えることを試みる
• できたはずの勉強や仕事ができずに人生転落する
• 歳相応の周囲に合わせられず、孤独な人生を送る（世捨て人となる）

8割がた合っていましたね。ただしさまざまなかたちで結末が描かれていて、幾人かの回答者の方は読みが深いなあと感じました。
25年の記憶を持っていることのアドバンテージを活かし、より良き人生を送るであろう回答が多かった中、今と変わらない人生を送りたいと答えた方がいたのは意外でした。後悔の多い人生を送っているgoldwellからしたら羨ましい。まぁでも本人が変わらない以上は生まれ変わっても180度人生が変わるようなことはあまり無いのでしょうかね。

さて、コメントにも書いた通り、きっかけとなったはケン・グリムウッド『リプレイ』。*1
本人自身が記憶を持ったままタイムスリップというのはありふれたテーマだと思うのですが、数時間数日という短い時間ではなく25年もの歳月を遡るのと、何度も迎えることになる死、そしてその後のリプレイが始まるタイミングに特徴があります。
そこから「突然の死」と25年という設定だけ借りたのですが、その再度訪れるであろう「突然の死」を意識して書いてくれた方はさすがですね。さらに元ネタを明かす前からループを言及されたのは驚きでした。

余談ですが、タイムスリップものは好きで結構読んでいるつもりですが、タイムマシンを始めとした時間超越技術を利用するものが多く、記憶を持ったまま何年も時間を超えるような作品は意外と少ない気がします。*2
例えばこのあたり。

• 荒巻義雄『紺碧の艦隊』

戦死したはずの山本五十六が38年前に記憶を持ったまま生き返る。他に同様に転生したという設定の架空人物が多数登場。

紺碧の艦隊〈1〉運命の開戦・帝都初空襲 (徳間文庫)

• 大石英司『神はサイコロをふらない』

消息を絶ったはずの旅客機および乗員が、十年の時を超えて現れる。

神はサイコロを振らない (中公文庫)

• 北村薫『スキップ』

意識だけ25年後の自分にスキップしてしまう。

スキップ (新潮文庫)

• ロバート・Ｊ・ソウヤー『フラッシュフォワード』

約2分間だけ21年後の自分のヴィジョンが見られる。

フラッシュフォワード (ハヤカワ文庫 SF ソ 1-12) (ハヤカワ文庫SF)

• 原作木内一雅、作画渡辺潤『代紋TAKE2』

死んだ際に記憶を持ったまま十年前の自分自身に戻る。

代紋TAKE2(1) (ヤンマガKCスペシャル)

この中で一番質問の想定に近いのは『代紋TAKE2』でしょうか。確か主人公の回りの歴史がまるっきり変わってしまう展開だったのは覚えています。
あと、香納諒一『ステップ』はタイムスリップするのは数日と短いですが、何度も死んではやりなおすというのが『リプレイ』に似ています（解説で言及していたかもしれない）。

ステップ (双葉文庫)

*1:私の感想はこちら　http://d.hatena.ne.jp/goldwell/20110120/1295529570

*2:『夏への扉』も入るかと思ったけど、あれは冷凍睡眠技術の賜物か。他に記憶を持ったまま歴史上の人物に入れ替わってしまうのならある。