- 作者: リチャードドイッチ,Richard Doetsch,佐藤耕士
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/02/26
- メディア: 文庫
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内容(「BOOK」データベースより)
12時間以内に最愛の妻を殺した犯人を突き止めなければならない。13時間目には―。ニックは取調室にいた。容疑は妻殺し。彼女を殺すはずなどなかった。だが凶器の拳銃には自らの指紋。混乱するニックの前に謎の初老の男が現れ告げる。「きみには12時間ある」そして残された懐中時計…。第12章から始まり時間を遡る、異色かつ巧緻なタイムトラベル&タイムリミット・ミステリ。
最愛の妻・ジュリアが殺され、凶器とされた拳銃には自分の指紋が検出された。
警察の取り調べ室にて殺人犯と決めつけられて絶望の淵に立たされたニックの前に初老の男が現れ告げる。「きみには12時間ある」渡された懐中時計には時を遡る力があるのだという。
当然のようにニックはまずジュリアが殺されることを防ごうとします。
しかし一度ではうまくゆかなくて、親友のマーカスに秘密を打ち明けて協力してもらったり、殺人犯を突き止めてその行動を阻止しようとしたり・・・。
しかし元の殺人を防いでも、別の形で妻が死んでしまったり、本来死ぬはずの無い親友や他の人物が犠牲になったりして、ニックの行動はなかなか実を結ばないどころか、裏目に出ることも。
そうこうしているうちにジュリア殺害の裏には悪徳刑事らによる強盗事件があり、仲間割れの果てに逃走に使われたセスナ機が旅客機に激突、最悪の墜落事故を引き起こしたことがわかります。
そこでニックはそもそものきっかけとなった強盗事件を阻止しようとするのですが・・・。
この物語のミソはただ過去にタイムスリップするというだけではなく、2時間前に遡って1時間過ごし、さらにまた2時間前に遡って1時間過ごし・・・を始めから12時間前までの時までひたすら繰り返すのです。時を一歩進んで二歩下がるとでも言えばいいのか。
時間を遡るたびに新たな事実が発覚し、主人公は翻弄される。
タイムスリップを利用した変わった趣向のサスペンス&アクションと言えるでしょう。
タイムトラベルものとしては色々と気になる点(遡った時間軸における本来の主人公が存在しないなどタイムパラドックス関連は放置らしい)は途中であったのですが、そこはあまり気にしないようにしてあくまでもエンターテイメントとして読んだ方がいいのでしょうね。
まぁタイムスリップを繰り返しては失敗する展開が長すぎて途中でやや飽きはきてしまいましたが。
最期はきれいにまとめられていますが、タイムスリップを利用した点では似たような趣向の『リプレイ』や『七回死んだ男』には及ばない気がしました。