13期・4冊目 『二重螺旋の悪魔(下)』

二重螺旋の悪魔〈下〉 (角川ホラー文庫)

二重螺旋の悪魔〈下〉 (角川ホラー文庫)

内容(「BOOK」データベースより)

二一世紀初頭。イントロンに封印された悪魔は解き放たれ、世界は焦土と化した。人類もまた、異形の物たちに対抗すべく最終軍を結成した。果たして、生き残るのはどちらか?人類の未来を賭け、悪魔の地下要塞に潜入した深尾直樹の運命は?そして、怪物たちは何故、遙か太古から人類のDNAに封じられていたのか?全ての謎がリンクしたとき、宇宙に秘められたる恐るべき真相が解き明かされる!斯界から大絶賛を浴びた壮大なバイオ・ホラー。

上巻から時は跳んで、イントロンに封印されていてたGOOが世界各地で発生、人類との全面戦争が勃発している中、日本においては東京の山手線内がGOOによって占拠されて、地下大要塞が築かれていました。
深尾直樹はGOOとの対決のために立ち上げられた第四の軍隊・最終軍の大尉として、UB化した兵士たちやディフェンダーと呼ばれる戦闘機械たちを率いて戦っていました。
地下に潜入してきた特殊偵察部隊が持ち帰ってきた情報によると、GOOたちは自らのイントロンを分析して、EGOOD(エルダーゴッド:GOOを封印したと思われる高度知的生命体)の復活を目指そうとしているらしい、
EGOODが完全復活してGOOを支配下においたら、人類の滅亡間違いなし。
そこで、今度は深尾直樹自らがGOO殲滅とEGOOD復活を阻止すべく、地下深くに侵入することになります。
そこで見たのは機械と生態が融合したような醜悪なGOOの生態でした。
致命的なミスや突発的なアクシデント、それに部下の死など数々の困難を乗り越えて、GOOを滅ぼすウイルスを貯水湖に散布し、スーパーコンピュータに侵入してEGOODの軌跡を知り、復活したダゴンとの最終対決を経て帰還の後、最終的に復活した神との対決へと至ります。


いきなり下巻は状況が変わり過ぎていて驚いたのですが、上巻の終わりからだいぶ時間の経過があったようです。
いわば、人類とGOOとの最終戦争(ハルマゲドン)。
それゆえ、バイオホラーの趣きが強かった上巻と比べて、下巻の方がアクションバトルの要素が強くなっていますね。
何度も蘇って主人公を付け狙うダゴンは映画ターミネーターを彷彿させますし、どんな攻撃しても効果の無いEGOODにはラスボス感を超えて、まさに神らしき無敵さ。それでいてナリが赤ん坊なので憎たらしさもなお一層感じました。
全体的にバイオ技術というか、遺伝子でなんでもありな感じがして、詳しい人からすれば、設定に無理があるのかもしれません。
しかし、特に下巻の方はドキドキハラハラの展開が続き、行く末が気になってしまい、壮大なスケール感と勢いで飽きもせずに読み切ることができました。
都心地下のGOOの住処とか、バトルシーンなどはぜひとも映像で見たいなぁ。
そういえば、最後の選択はちょっとした運命の悪戯が入りましたが、あれで結果オーライだったんじゃないですかね。