12期・22冊目 『食い詰め傭兵の幻想奇譚2』

食い詰め傭兵の幻想奇譚2 (HJ NOVELS)

食い詰め傭兵の幻想奇譚2 (HJ NOVELS)

内容(「BOOK」データベースより)

借金を返す必要性から、パーティを組むことになった元傭兵ロレンと神宮ラピス。とりあえず地道に実績を重ねるべく、薬草摘みのクエストを受けたロレン達は、その帰り道に行き倒れていた少女・シェーナを保護することに。訳ありそうなシェーナを家まで護衛するクエストを受けたロレンたちだったが、その道中、周りの冒険者たちに不審死が多発して…。これは、新米冒険者に転職した、凄腕の元傭兵の冒険譚である―。

前巻にてゴブリン討伐依頼の末に古代遺跡に潜りこんでしまい、ゴブリンおよび強化ゴブリンの大群を前に大立ち回りを見せたロレン。
その結果、仲間を無事助けることはできましたが、愛用の大剣を失った挙句に気を失って数日入院する羽目になり、当然費用はラピスが立替えておいたので借金がますます増えてしまいました。
とりあえず武器が無い為に薬草採取のクエストをこなすも、その程度の稼ぎでは赤字が減ることもなく頭を抱えるばかり。そんな時に森の中で倒れていた少女を助けることになります。
助けた少女のことが気にかかり、黒鉄級以上の冒険者*1にしか明かされなかった少女の身元についてなんとか入手。
都市国家ハンザの領主の子女・シェーナであった彼女を送り届けるクエストにも何とか参加することになります。
そのために装備を取りそろえる必要があり、またしてもラピスの借金は増加してしまうのですが、背に腹は代えられない。
かくして護衛の旅が始まったのですが、のっけから不審死が連続して前途が危ぶまれてしまうのでした。


Web版の方も楽しみに読んでいる本作の2巻です。
昨今の異世界ものラノベにありがちな軽いノリのチートでハーレムなのと違って、落ち着いた雰囲気が気に入っています。やはりガタイのいい歴戦の傭兵が主人公というのも影響していますでしょうか。
頑張るほどに借金が増加してゆくロレン。その裏では暗躍する(?)ラピスの影が…。相変わらずのヒドインぶりです(笑)
今回は護衛依頼で同行することになったクラースは始めこそ最悪の出会いでしたが、森で保護したシェーナ共々、今後長い付き合いになるんですよね。こうやって読み返してみると、感慨深いものがあります。
ロレンたちとの関係が改善されたのはクラースのパーティの魔術使い・アンジェを助けてもらったのが大きかったのですが、ラピスからは結構酷い扱いを受けてるし(笑)


前回はゴブリンでしたが、今回はゾンビの大群に囲まれて戦う羽目になりました。
本当にトラブル巻き込まれ体質としか言いようのないロレン。
そして、またしても瀕死の目に遭って霊薬やら入院治療費やらで借金が重なってしまうところが形式美と化していくのですね。*2
でも生き残ることが困難な状況できちんとカタをつけてしまうところが恰好いい。あと非情に徹しきれずに人の良さが出た挙句に余計なものを背負ってしまうところがまた…。

*1:ロレンたちはなりたてなので、一番下っ端の銅級

*2:村やら街が滅んでいくことも