8期・21冊目 『時空の旭日旗10 変化の予兆』

内容(「BOOK」データベースより)
1944年5月、「バリ島南方沖海戦」後も、戦力に勝る連合軍は対日攻勢を強めてきた。南太平洋ではオーストラリアとニュージーランドの合同艦隊が、インド洋マラッカ海峡にはイギリス海軍と自由フランス海軍が侵攻を始める。日本は巧みな戦術で対抗するものの、1944年6月ついに、西の最前線である南アンダマン島に連合軍の上陸を許してしまう。独自の歴史を歩みはじめ、「A情報」というアドバンテージがなくなりつつある日本に、果たして勝利への道は残されているのか!?待望のシリーズ第10弾。

1944年後半といえばレイテ沖海戦があり、その後もフィリピンを中心とする東南アジア一帯にて圧倒的優勢な連合軍の攻勢に対して必死のあがきを続ける日本軍との間で激しい戦闘が続けられていました。
本シリーズでは史実とはかなり様相は違えど、戦力に勝る連合軍が攻勢を強めてきたという構図は同じ。
まぁ米軍は海軍が未だ戦力回復しないので、航空隊が主力となっていますが。
その代りに南太平洋ではオーストラリアとニュージーランドによる護衛空母含む艦隊が編成されて蘭印南部の基地を襲撃、インド洋マラッカ海峡方面では欧州より戦艦などを増派したイギリス海軍と自由フランス海軍が侵攻を企図、ついにアンダマン諸島に上陸を許してしまう。
前巻からの流れで、イギリスはイタリア艦隊より先に日本軍を叩くことを選択したためなのですが、欧州の枢軸国が史実より頑張っているために逆に日本への圧力が増したのが皮肉。
二正面作戦を強いられる中で、日本軍はどのような対応を取るのか?


相変わらず肝心の戦闘シーンは飛び飛びで状況は目まぐるしく進むので、流れが把握しづらいのですが、前巻から引き続き多方面からの攻撃で広い戦域にて敵の戦力を分散させて消耗させたい連合軍と限られた戦力で的確な対応を取ろうとする日本軍との駆け引きが読み取れますね。
日本は総合的な面で劣るもA情報によって格段に強化された技術力と情報収集力*1で対抗します。
かき集めた戦力で急場を凌いだ日本軍は、逆に大規模な反攻作戦へと打って出る。
そのあたりは架空戦記ならではの兵器が活躍するのが見どころ。


それにしても10巻まで来ましたがなかなか終わりが見えそうにないですねぇ。
もしかしたら終盤の大反攻が連合国瓦解への布石となるのでしょうか・・・?

*1:あずみ丸メンバーも貢献