3期・40冊目 『SPEED』

SPEED (The zombies series)

SPEED (The zombies series)

内容(「MARC」データベースより)
私の憧れの女性だった家庭教師の彩子さんが自殺!? 後悔なんかするもんか。岡本佳奈子、16歳、真面目で平凡な女子高生。そして-。家庭教師の謎の死+ザ・ゾンビーズ+憎むべき敵+赤い車=初めての冒険!

『レボリューション �・3』の続編にあたり、ちょうど学園祭突入のイベント後、ゾンビーズの面々が停学中にたまたま出会った少女のトラブルに介入していくというエピソード。多少『フライ,ダディ,フライ』に近いかな。大好きだった人の死に直面するという点での動機づけでヒロシの回想が出てきたり、佳奈子にボクシングを教えるシーンで舜臣が「懐かしい」と呟くところは『フライ,ダディ,フライ』を連想させてシリーズのファンには嬉しい演出かも。


真面目で平凡な女子高生だった佳奈子がゾンビーズに関わったことで刺激を受け、自分の殻を破り、世界が変わっていくというところを主軸にしているため、『レボリューション �・3』からするとゾンビーズの活躍はやや控えめなのはちょっと残念ではあるものの仕方ないか。それでもアギーと舜臣の魅力は存分に伝わってくるし、山下はやっぱり桁外れの存在です。*1


終盤、主筋である敵と対決はあまり捻りが無くて、むしろ途中のゾンビーズと佳奈子の友情を描く場面の方が印象に残ります。あと、このシリーズは家族への想い(親から子だけでなく、子から親に対しても)が強く滲み出ているのが読んでいて気持ちがいいですね。

*1:電車の中で読んでて笑い声が出そうになった