2期・48,49冊目 『要塞学園(上、下) デビル17』

一見見た目は普通の高校生だけど、実はとんでもないテクノロジーによって作り出された人工生命体・デビル17こと黒江徹が巻き起こすヴァイオレンス・アクションシリーズ。著者・豪屋大介のもう一つのシリーズ『A君の戦争』が途中で薀蓄が延々と書かれて展開が止まってしまうことが度々あるのに対し、デビル17の方が内容はアレ*1ですけど非常にテンポ良く読めるので楽しみにしていたんですけどね。A君と同様に途中で刊行がストップしまっているんですわ*2


なぜ今ごろになって、その中でも3,4巻にあたる「要塞学園」を読み直したかというと、ちょっと前に佐藤大輔原作の漫画『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』を読んだのがきっかけ。いわばゾンビ繋がりなわけです。
どこが繋がっているかというと、

  • 街中ゾンビが溢れた中をマイクロバスで逃走する。(ついでながら途中でコンビニが出てくるのも同じ)
  • 人間がゾンビに噛まれると、死に至ってほどなくゾンビ化する。ゾンビとの戦いのさなか、主人公のごく近しい人物が噛まれてしまい、人間である内に死なせてほしい、と主人公にお願いする。

これらは有名ゾンビ映画を元にしたと思われます。


内容としては、ある少女の死を調査するために新設の高校に編入することになった黒江徹ですが、初っ端から謎の傭兵部隊に襲撃され、徹底的な迎撃を行うも相棒を拉致される。ともかく依頼者である3人の少女と協力して、学園内の調査を進めていくうちに次々と不可解な事件が発生。事態の突破を図るためにある前半は密かに、後半は一転して派手に行動するうちに、あることがきっかけで街にゾンビが大量発生して大変なことに。そして学園には隠された重大な秘密が・・・。


次から次へと巻き起こる展開は非現実的*3ではあっても読む側を飽きさせない。究極な肉体であっても頭脳は17歳男子の範囲を超えない*4設定がいいのかもしれないです。正義であろうとピカレスクであろうと、ヒーローが完璧すぎると飽きますからね。ほどほどにピンチがあった方が燃えるというものです。
主人公自身が騒ぎを大きくさせて、収束させるに苦労している風な気がしないでもないですが、何とか最後は治まって、謎が明かされるわけです。
ちなみに今回登場した3人娘は、過去を消して主人公が密接に関わるエンジェルという組織に入ることになったので、再登場を期待したいのですが続編が出ない今では・・・。

*1:ひらたく言えば18禁そのもの

*2:しかも6巻「鮮血の学園祭」の中巻で止まっている。どうせ止めるのならきりのいいところまで出してくれ〜

*3:もっとも、その最たるものが主人公自身なんですが

*4:確か1巻の作中にも最新のCPUのマシンに古いOSを載せた、と例えられていたような