「暗いところで本やテレビを見ていると目を悪くするよ」

子供の頃にそんなことを言われた人は多いのではないでしょうか?
前に見ていたテレビにて、この噂について専門家に聞いたところ、それは正確ではなく、むしろものを見る距離が重要。近すぎる距離で見続ける方が目が悪くなる。
そんな説明されていました。
最近節電の影響でどこも電灯が減らされて薄暗かったりするのですが、それで思い出したのがこの話。
その時は「ふーん、そうなのか」で終わったのですが、そういえば前に肩凝りについて調べていた時に眼精疲労を防ぐため良い姿勢で見ること=適度に距離を置いて見ることが大事だと前にネット上で読んだ記憶があります。
自分も子供の頃は暗い中でよく本を読んでいて注意されたことがありました*1が、同時に姿勢も良かったとは言い難くて、小学校のうちから目を悪くしていました。そしてうちの娘も気づくと妙に近いところで本を読んだり、やけに下向きの変な姿勢で勉強していることがあるんですよね。このままじゃ自分と同じ道を辿ることになる・・・。
そこで自分でも調べてみることにしました。


視力が落ちる原因-眼科の森

視力低下の要因には様々なものが考えられますが、 病気以外の原因で一番の理由は、
目の筋肉の衰えだと言われています。
ふつう眼は、毛様体というところの筋肉の伸び縮みによって、水晶体の厚みを調節し
焦点が合わせられるのですが、この筋肉が衰えるとピント調節機能が低下してしまい、
視力が落ちるのです。
同じものを同じ距離で見続けると、目のなかのレンズを調節するこの筋肉が固まってします。
つまりじっと動かさない=きちんと使っていないことが原因で 近視になっていくという説が
有力です。
よく自然界の緑をみると目にいいと言いますが、自然を見ることが良いのではなくて、
遠くをみる=筋肉を動かす、が目に良いのだそうです。


ちょうど、私がテレビで見ていたのをまとめた記事もありました。
暗い所で本を読むと…目が悪くなる!?はウソ−雑学情報

・吉野眼科クリニック:吉野健一
暗い所と云うのは光をたくさん目の中に入れないので、瞳孔が開く
近くを見る動作と云うのは、逆に瞳孔を縮めると云う働きがある
暗い所で本を読むと云う事は瞳孔を動かす筋肉に相反する情報が脳に伝わっている
したがって非常に目が疲れる
目が疲れると視力が落ちたように感じるのは一時的なもの
近視がしんこうすると云う医学的根拠は無い


このあたりの根拠は2007年に米インディアナ大のチームがまとめた論文がもととなっているようなのですが、それを報じたasahi.comの記事はこちら。
http://book.asahi.com/news/TKY200712240119.html

◇暗い所で本「目悪くなる」 医学的根拠ない、と米チーム
「暗いところで本を読むと目が悪くなる」「毛をかみそりでそると濃くなる」など、米国で一般によく信じられている体に関する言い伝えについて、医学的な裏付けがないばかりか、誤りのものもあるとする研究を米インディアナ大のチームがまとめた。22日発行の英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」クリスマス特別号に論文が掲載された。
米国で医療関係者にも信じている人がいるという言い伝えを七つ選び、文献データベースや インターネットの検索で医学的な裏付けを示す研究があるかどうかを調べた。
その結果、七つとも医学的な裏付けは見つからず、80年近く前の研究ですでに否定されているものもあったという。
論文は結びで「このような言い伝えを信じるだけなら実害はないが、根拠のない治療法を勧めることは実害をもたらす可能性がある」と、科学的根拠に基づく医療の重要さを指摘している。
    ◇


日本眼科医会のページには、机に向かう際はスタンドの照明が必要とは書いてありますが、目が悪くなる主な原因は環境や姿勢、そしてテレビやゲーム等による酷使と書いてあります。
とりあえず暗いところで本やテレビを見る=目が悪くなるの直接の因果関係は無いものの、暗いから近い距離で見る⇒姿勢が悪くなっていくことが日常化していくと結果的に目にはあまり良くない気がしますね。
自分も子供もそうなのですが、やはり普段の習慣において目を酷使しないよう時々休ませることや見る姿勢に気をつけることが重要であろうことが改めてわかりました。