『半落ち』

原作の方は「まあまあ」といった程度だったが、こういう作品は映画が良さそうな気がしたのでレンタルしてみた。
ストーリー的にはほぼ原作に忠実な作りになっていると思った。原作では数ページにわたる描写を１シーンで済ませたり、台詞を言う人物が違ってたりするのは、まあ許容範囲。
原作では、章ごとにそれぞれの人物の視点から事件が語られていく展開となっていて、個々の深い事情もあったのだが、さすがに映画では細かくなぞるのは無理ということで、原作読んでいる人の方がわかりやすい。原作読んでいない人は注意深く台詞を聞いていないとわかりにくい面はあったかな。
逆にアルツハイマー症患者を抱えた家族の苦悩・葛藤は映像によって強く伝わってきた。

ラストに向けては、こういう持って行き方も有りかと感心。原作を読んだ人としては好みが分かれるだろうが、私としてはいいんじゃないかなと思った。
非現実的なやりとりもあって、感動させよう的な意図が見え見えだったけど。

余談１：夜、娘を寝かしつけた後に見たのだが、ぼそぼそ喋るシーンが多くて会話が聞き取りづらかった。かといって時間的に音量をあまり大きくできないし。こういう点は映画館の方が断然良いのだろうなぁ。

余談２：レンタルで見た人なら知っていると思うが、本編終了後にも予告がいくつか入っているが、最後のはヤバイ。こっちはいい年した夫婦で見てるからいいけど、もし親子(それも思春期の年頃の子供だったりしたら)で見てたりしたら、感動の余韻に浸っていた家庭の雰囲気が一瞬にして固まるよなぁ、なんて考えたりした。