- 作者: 北山結莉,Riv
- 出版社/メーカー: ホビージャパン
- 発売日: 2016/02/27
- メディア: 文庫
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内容紹介
両親の故郷で語られるリオ出生の秘密とは!?
精霊の里の民たちとの充実した生活に別れを告げ、遂に当初の目的であった両親の故郷ヤグモに辿りついたリオ。
ほどなく彼はカラスキの小さな村で、父方の祖母であるユバと従姉のルリと邂逅を果たす。その後、時が来るまでは明かせないという両親の過去を知るため、
リオはしばらく村に逗留し、ついでにお世話になる村の生活水準向上を図ることに!
ヤグモ地方を訪れて数か月経つも一向に両親の手がかりが掴めないリオ。
そこでカラスキ王国のとある村の村長が顔が広く事情に通じているとのことで、そこに訪れます。
村長の名はユバ。
両親の名を明かし、詳しく話をしていくと、実は父方の祖母であることがわかります。
しかし、とある事情ですぐには両親のことを明かせないとのこと。
しばらくこの村で過ごしてみないかと、誘われたリオはユバとその孫ルリの家に逗留し、狩猟や農作業といった村での生活に馴染んでいくのでした。
悲惨な境遇から始まっていろいろと重苦しい展開が続いた1巻。
うってかわって獣人や精霊との出会いを含めて得るものが多かった2巻。
そして3巻にて、両親の故郷であるヤグモを訪れた主人公リオに待っていたのは、どことなく昔の日本を思わせる鄙びた村での生活、そして明かされる両親の秘密。
転生ものにありがちな内政向上および恋愛要素はあるものの、全体的に波の少ない穏やかな巻でした。
誰に対しても紳士的なリオ*1ですが、ルリが襲われた晩に見せた狂気は未だ幼い頃のトラウマに囚われていることがわかり、ちょっとしたスパイスでもありましたが。
ふと、リオが請われるままにカラスキ王国に留まることを選択していたら、それこそ尻すぼみのまま物語が終わっていたわけで、心苦しい決断の上での”決別”であったのだろうなと。
あとがきで著者が述べている通り、実は3巻までが全体の中の導入部にあたるそうです。
そういう意味でも、今回は自分探しの旅の終着点と再出発のような内容で、次回から始まる波乱の章への繋ぎのような印象を受けました。
ラストで起こった6本の光こそが本当の幕開けなのでしょう。*2
一点気になったweb版との違い。
国の徴税官として村を訪れるハヤテは以前からルリを想っていて、確かリオがキューピット的な役割をした気がするのですが、書籍版ではそんなことはなく、なんとなくルリがリオに好意を寄せている雰囲気が感じられ、出立の日に軽く言い寄ってふられる展開でした。
大モテなリオに言い寄る女性は今までも、そしてこれからもたくさん登場しますが、その一人にしなくても・・・と思ったりしました。そういうのはサヨによって充分見せてましたしね。