TBS「日曜劇場『JIN-仁-』」(完結編)第9話

「この国を生まれ変わらせよう」とした坂本龍馬内野聖陽)の悲願であった『大政奉還』が成立。江戸幕府は、その260年余りの歴史を終了させる。
そして南方仁大沢たかお)は、恋人である友永未来(中谷美紀)が過去に“坂本龍馬は誕生日に死んだ”という史実を話していたのを思い出し、その暗殺日まであと1ヶ月だと気付く。

着々と近付く龍馬暗殺。「必ず自らの手で龍馬を助けるのだ」と決心した仁は、橘咲(綾瀬はるか)、佐分利祐輔(桐谷健太)とともに龍馬のいる京へ向け出発。一方、橘恭太郎(小出恵介)は、上役(中原丈雄)からあることを命じられ…。
一刻も早く龍馬と会おうとする仁たちだったが、京都市中を探すもなかなか見つからない。そして迎えた龍馬の誕生日の11月15日。果たして、仁は歴史を変えることは出来るのか!?
龍馬の命運やいかに――!?
第9話あらすじより

坂本龍馬暗殺の日まで一ヶ月であることを知り、とにかく龍馬がいると思われる京へと急ぐ南方仁駿河まで来て京まであと十日と聞き、新幹線使って数時間で行ける現代と違って徒歩で日にちかけて行くしかないもどかしさを感じますね。
そしてここに及んで仁友堂に騒ぎが持ち上がる。陰でほくそ笑む三隅俊斎。絡め手から仁を追い詰めるべく策を弄したようです。
一方、証拠隠滅を行うも別の密偵の手から南方仁が出した手紙が見つかり、まずい立場に立たされた恭太郎は家族を盾に龍馬を討つという任務を命じられ、仁一行の後をつけます。
この展開にはちょっとびっくりでした。旗本の立場で剣の腕も立つわけですから仕方無いとはいえ、命の恩人である南方仁を裏切るようなお役目とはその辛さはいかばかりか。
道中、駿河の宿では無医村のため、逗留中の仁らを頼って多数の患者が。先を急ぎたい仁にとっては苦しいところです。
突如現れた恭太郎に「先をよろしくお願いします。末永くお願いします」と頼まれてあっけに取られる場面が。
咲「(兄の)今の言葉は忘れてください!」
仁「はい、忘れます」
佐分利「忘れちゃうんでっか!?」
コントやってるんですか?あなたたちは(笑)


そして龍馬は西郷らを相手に新政府役職案をに見せる場面です。
一つだけ「○○○」となっており、大久保に「慶喜か?」と問い詰められ、それは名案!さすが大久保さん!と持ち上げる。策士ですなぁ。
またその中に龍馬の名が無いことを西郷に指摘され、「わしはそろそろ身を引こうと思うとるがじゃ」きたきた、史実かどうかは別として有名な場面です。
なんと世界中の女と縁を結びたいがための「海縁隊」だそーで。ズッコケました(笑)
さて、京に着いたはいいものの、一向に龍馬の行方が掴めず焦る仁の一行。ついにその日である11月15日になってしまい、途方に暮れるところで出会ったのが東修介。*1
密かに龍馬の居所を教えてもらうことになったのですが、その後は恭太郎に付けられていた・・・。


そこまでに龍馬暗殺の実行犯としては有力な見廻組が出てきて、そして大久保が居場所をこっそり示唆したと思われるシーンがあります。
しかしここまで来て原作を読んだ人や幕末に興味ある人にとっては何かが足りないと感じるんですよね。
そう新撰組
実際、龍馬と絡みがあったかどうかは別として、幕末の京に新撰組が出てこないのは不自然に思いました。*2
さて、近江屋にて龍馬と対面できた仁ですが、そろそろ日も暮れようとしていて気が気じゃありません。中岡慎太郎も登場して史実通りの役者が揃ってしまう。
夜半、近江屋二階に踏み込む見廻組ですが、そこはもぬけの殻でした・・・。


辛くも龍馬や仁ら一同は寺田屋に移っていて、そこで軍鶏鍋をつついていました。
しかし途中で中岡が引き揚げてしまいます。せっかくだから食べていけという龍馬の言葉も断り、外に出るのですが怪しい風体の武士に襲われて凶刃に斃れてしまう。
「おまんの言う通り、食べてけば良かったが・・・」
ついに日付が変わり、歴史が変わったことを喜ぶ仁。
史実とは違っていても、中岡が襲われたことからまだまだ安心できないんですがね。
それはさておき二人きりになった仁と龍馬が話し合う場面はこのドラマの集大成とも言えるでしょう。
「先生はわしの道しるべやった」
確かに一介の志士であった坂本龍馬南方仁が導く役目(本人は意識していなくとも)であったという点で一貫していました。
「私は龍馬さんの声に導かれて・・・」
仁がこの時代に来た時のことを思い出そうとしたところでまたあの頭痛が。


その時外では刀を切り結ぶ恭太郎と東修介。慌てて止めようと出た龍馬ですが、銃を部屋に置いてきたことに気づきます。
恭太郎を知る龍馬はその苦しい立場を一瞬で悟り、なんとか止めようとするのですが、別の刺客の刃先が龍馬の頭を切り裂く。まるで史実と同じように。
血しぶきを浴びた仁は目がきかず龍馬を案ずるも、前のめりに倒れてしまう龍馬。
果たして仁は龍馬を救うことができるのでしょうか・・・。

*1:この人には志士である兄がいてその志を継ごという設定があったことにも驚き

*2:確か西郷の手術の回で登場はしていた