- 作者: 横山信義
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/02/24
- メディア: 新書
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内容(「BOOK」データベースより)
グアムから飛来するB29に対し日英両軍は新開発のジェット戦闘機「ワイバーン」擁する戦闘機隊で邀撃。だが大挙来寇する敵に善戦むなしく、日本に降伏の危機が迫る。いっぽう欧州ではソ連が破竹の進撃を続け、英本土も赤軍の脅威に晒されつつあった。日英はこの戦況を一気に挽回すべく、総力を挙げてのグアム再攻略作戦を決定!「大和」「武蔵」に「信濃」、そしてライオン級を加えた大艦隊が集結した。新鋭機F8Fを搭載した大型空母を下し、敵地に突入する連合艦隊。立ちはだかる超モンタナ級に最終決戦を挑む。
第二次世界大戦時の設定をいくらか変えども、結局は似たようなパターンとなりつつある著者の仮想戦記シリーズ。やはりというべきか、最後の10巻はむりやり感がいろいろと出てました。
ついにまみえた大和型vsケンタッキー型同士の砲戦はほぼ同じタイミングで主砲に命中火薬庫爆発で相討ち。子供向けアニメでならありそうですが、まさか横山信義氏の著作でやってくれるとは思いませんでした・・・。
以前は航空機や大小の補助艦も加わった、単純な艦の性能だけでない総合的な戦いを描いてくれていたのに、(ページ数の制限とはいえ)今回は戦艦だけのガチバトルになってるし、いくら反共主義のトルーマンが大統領に代わったからと言って、余裕があるはずのアメリカがあっさり講和*1に応じて対ソ同盟を組むというご都合主義。
史実のミッドウェイ型とも言えそうな米新鋭空母が初陣で退場させられてたのは笑ってしまいましたが。*2
あと単純な数字のミスとか死んだはずの提督が生きていたりとかは校正をきちんとしてもらいたいところ。
まぁB29をバッタバッタと撃ち落とすジェット機とか最強戦艦対決とか、最終巻だけに華のある要素を盛り込みつつ、敗戦ではなく講和という形にもっていくというのは既定路線なんでしょうなぁ。
もう第二次世界大戦ものは単発か上下巻程度の長さにしておいて、『故宮奪還』のような歴史ミステリをまた書いてもらいたい気がしますね。あるいは『東京地獄変』のような現代パニックものとか。*3
でも学研ですが、やっぱり新シリーズも第二次世界大戦になるようです。
群龍の海1: 東シナ海海戦
そういや『宇宙戦争1941』の続きはどうなった?