秋葉原無差別殺傷事件について思ったこと

今ではすっかり足が遠のいてしまったけれど、かつて秋葉原電気街を身近に感じていた自分としては、ここ2,3日でいろいろ感じたことを拙い文章ながらも書き残しておきたいと思います。


都内の大学に進学したこともあって、私にとっての電気街デビューは大学生の頃。PC雑誌(確か『ログイン』だったかな)などで詳しく知り、バイトで貯めたお金で初めてのパソコンを購入するために出向き、その店舗の種類の多さに圧倒され、ただうろうろとショップを回って時間を浪費したものの、結局前から知っていたソフマップで決めたものです。
そして最初の就職先が秋葉原の会社*1だったこともあって、金と時間の都合がつけば通って多くのゲーム、音楽CD、漫画、そしてPC関連機器やサプライを購入したものでした。*2
とにかくいつ行っても人が多い。ただし、それまで知っていた渋谷や池袋の混雑とは違う熱気やら、ゲーム・アニメのキャラの看板が目立つ店舗や街行く人たちの服装など、独特の雰囲気を感じましたね。
日曜日の歩行者天国の時に買い物に訪れたこともありましたが、平日とは違い、そこかしこでイベントがあって踊ったり歌っている人がいると思えば、家族連れやカップルなどで賑わう通り。これも電気街なんだなと感じました。


そんな秋葉原で6月8日に起こった痛ましい事件。当日深夜に知った*3のですが、第一に驚きと恐ろしさと憤り。そして秋葉原という場所からのマスコミの報道姿勢と今後どうなってしまうか懸念を感じました。*4
その後、犯行の動機や行動(なぜわざわざ静岡から?)に関する疑問が生じましたが、現場に居合わせた人による記事も含めてほとんどネットから素早くかつ深く事件の概要から考察まで読むことができました(→ブックマーク・秋葉原無差別殺傷事件
ただ、家でこの事件について話した時、TV・新聞から知った妻は被害者のこととか容疑者の過去といったことを話したのに対し、私は容疑者の抱えた仕事の問題とか、事件が海外へも反響を呼んでいること、電気街そのものについてとか。
容疑者への怒りと被害者(および遺族)への同情という点では共通していても、知り得てかつ話したいと思った情報が微妙に違ったのが印象的でした。


都内の多くの街の中でも訪れた頻度からして特に思い入れがある秋葉原。ここ2,3年はたまに行く度に駅および周辺が再開発などで綺麗になっていって、何となく変貌しつつあるなぁとも思いつつも電気街の混沌とした雰囲気は相変わらずだったのに。
一人の男の凶行によって奪われた7名の方々の命は戻ってこないし、怪我で済んだ方も精神的に受けたダメージは計り知れない。そして平和だったアキバの歩行者天国も戻ってこないのではないでしょうか。
今、電気街では歩行者天国の停止検討*5や店舗の営業自粛が行われていますが、この事件をきっかけに電気街の良さが失われなければいいのですが。


今週久しぶりに秋葉原に寄ってみようかと思ったのですが、まだ事件直後で献花台の周りに報道陣が集まっているとブログやはてなハイクで知ったので、もう少し落ち着いてからにします。
最後になりましたが、このたびの事件に遭われた負傷者の一刻も早い回復と、犠牲者の方々のご冥福をお祈りいたします。

*1:JRの駅からすると反対側の昭和通り口でしたが

*2:その頃ブームだった架空戦記を始めとする小説に限っては昭和通り側の書泉ブックタワーがメインでした。

*3:http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080608/crm0806081312006-n1.htm

*4:月曜の夜、帰宅する電車内にて隣の人の読んでいる夕刊の見出しにいきなり「アキバ オタクの凶行」

*5:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080610-00000002-yom-soci