まいん 『食い詰め傭兵の幻想奇譚9』

食い詰め傭兵の幻想奇譚9 (HJ NOVELS)

食い詰め傭兵の幻想奇譚9 (HJ NOVELS)

内容(「BOOK」データベースより)

無事(?)ラピスの実家へとたどり着いたロレンたち。挨拶もそこそこに、魔王からの依頼を受けることになる。依頼とは、火口へある物を投げ込んで破壊するというもの。その投げ込む物には、ロレンと以前因縁が出来たある男が関わっており…。これは、新米冒険者に転職した、凄腕の元傭兵の冒険譚である―。

ラピスの母との対面後、謎の騎士と対戦させられたロレン。
その中に入っていたのがラピスの父であったのですが、動きようのないほどに重い全身鎧であり、一計を案じたロレンにより無様に倒されてしまいます。
いったい何がしたかったのかよくわかりません。
どうやら最近魔族領ではある武具が奪われているようで、兜もその一つ。
犯人は魔族領に入った時に襲撃を受けた男のようで。
もっとも重要な物ではなく、倉庫の奥に転がしたまま忘れていた程度なのですが、武具一式を揃えて装備してしまうと面倒なことになるという。
そこで、ロレンたちは最後の一つである兜をある山の火口に放り込んで処分してもらいたいという依頼を受けます。
食料などの物資だけでなく高性能な馬車まで貸し与えれれたのは助かるのですが、問題は処分しにいくのが険しくて岩が剥き出しの高山であること。
さらに山の頂上付近にはエンシェントドラゴンが住み着いているという。
決してドラゴンに刺激を与えないように注意していたロレンたち(ラピスとグーラ)ですが、そんな時に限って邪魔が入るのはお約束。
ロレンたちを襲い、騒ぎを起こしたのは例の男の配下であるダークエルフなのでした。


魔族領にいてもロレンの巻き込まれ体質は相変わらずです。
しかも、その対象が半端ないです。
ドラゴンの中でも最上位のエンシェントドラゴン、それに魔王でさえ扱いに困る謎の剣士なのですから。
本編ではこれから長い付き合いになる剣士はその傲慢ぶりもあって、たいそう憎たらしい印象を受けますね。
しかし、兜以外の武具を揃えたことにより、本気のロレンの打ち込みでさえ片手で弾くほどの化け物っぷりを見せつけます。
まぁ、自衛とはいえ、相手を吐しゃ物まみれにしたり、大事な兜をおしゃかにしちゃうなど、ロレンたちもやらかしていますけどね。
相手が伝説級のエンシェントドラゴンであっても、化け物並みの強さを誇る剣士であっても、ロレンは自分のペースを崩さないし、機転の利くところが格好いい。
それに今回はドラゴンの幼生にも懐かれていたし、人外に好かれる体質も進化していそう。
その一方でラピスやグーラのヒドインぶりも板についてきたなぁとしみじみ思いますよ(笑)