6期・77冊目 『名城と合戦の日本史』

名城と合戦の日本史 (新潮選書)

名城と合戦の日本史 (新潮選書)

内容(「BOOK」データベースより)
織田信長が最も苦しめられた自然の要塞・長島城。信長が天下取りを夢見た清洲城や謎多き安土城明智光秀を討ち、覇者に上りつめた豊臣秀吉が築いた大坂城。九州平定から朝鮮出兵に及んだ秀吉が最大の拠点とした名護屋城。徳川方と豊臣方の決戦「関ヶ原の戦い」での、石田三成による幻の大垣城篭城戦や、大坂冬の陣での家康の秘密作戦など。戦国期から維新までの日本の城にまつわる、武将たちの名戦や戦略が一挙に分かる。

琉球王国統一戦争」(15世紀)を皮切りに戦国時代初期から江戸時代初期の島原の乱まで。そして幕末を経て西南戦争までの(主に)城を巡る50の戦いを解説している内容となります。
手軽に読める合戦史の入門書といった感じでしょうが、河越野戦や大阪の陣といったメジャーな戦だけでなく、マイナーな戦国大名の合戦や知られざる逸話までも含めているのが歴史マニアとしてはうれしい限りです。
例えば来島村上氏の「二度にわたる来島城の攻防戦」、群雄割拠の伊予における大野直之の「地獄嶽城の戦い」、安東氏(桧山安東氏と湊安東氏)の統一戦である「湊騒動の顛末」など。
ただ一項目につき4ページほどとなっているのは内容的にちょっと物足りなかったり。
さらに名城と銘打っていますが、名城の基準がどうなっているのか不明な上に、城と合戦のリンクが無理やりだったりもしました。
純粋に攻城戦もしくは攻城をきっかけに起こった野戦のみ対象にすれば良かったのではないかと思いますけどね。