まいん 『食い詰め傭兵の幻想奇譚 10』

食い詰め傭兵の幻想奇譚10 (HJ NOVELS)

食い詰め傭兵の幻想奇譚10 (HJ NOVELS)

内容(「BOOK」データベースより)

厳しい依頼が続いた疲れから、休暇を決めたロレンたち。休養先を検討している際に声をかけてきたクラースの依頼もあり、食と湯の町カルローヴィへと向かう一行。しかし、現地では問題が発生しているようで…。これは、新米冒険者に転職した、凄腕の元傭兵の冒険譚である―。

大魔王の居城に飛び込んだり、火山から古龍の巣穴を経由して火口まで行ったり、黒鎧の男(マグナ)&忠実なるダークエルフのノエルたちとの激戦といった、熟練冒険者であろうが命がいくつあっても足りなさそうな稀有な経験を経て魔族の領域から無事帰還したロレンたち。
魔剣の持ち主から正式に受け取ることができたのは良かったのですが、なぜか借金の額が大幅に増えていました。
いくら働けど懐が温かくならないロレンはいつもの酒場で安酒を飲んでいたところに休暇の旅行に行こうというラピスの提案。
そこになぜかクラースが声をかけてきます。
いつもの所業(女性関係)でパーティメンバーを怒らせてしまい、お詫びに旅行に行くことになり、4人だけでは気まずいのでロレンたちにも混ざって欲しいとのことでした。
クラースからの依頼の形となって経費が浮くこともあり、受けることにしたロレン。
目的地として選んだのは隣国の食と湯の町カルローヴィ。なぜかそこに行くと聞いた兵士たちは微妙な顔をして見送られて。どうやら現地でなんらかの問題が起こっている模様。
カルローヴィの町が属するのは獣人が治める国。
早速入った街の酒場では一見きれいどころを侍らせているように見えたために絡んできた獣人のチンピラたち。*1
始めはクラースが一人で対処するのですが、本気を出すわけにはいかずに苦戦します。
そこで助けに出たロレンが遠慮なくぶちのめす。しかも片手しか使わず。
今までの相手が人外すぎたけど、常人相手ならばやっぱりロレンは圧倒的です。
その騒ぎを聞きつけて呼び出してきたのが街の領主。
獣人の中でも原始族ということで、猫がそのまま二足歩行しているようないでたち。
そんな彼女に対しても変わることのなく女好きぶりを発揮するクラースに呆れつつ、話を聞いてみると、少し前から温泉に酷い匂いと汚れが目立つようになって使えなくなってしまった。その原因の調査依頼をされます。
せっかくの温泉に入れないのでは来た意味がないということもあり、ロレンたちは源泉となる森の奥の湖に向かうことになったのでした。


休暇に行ったはずなのに、とんだトラブルに巻き込まれて、命がけの戦いを強いられて、やっぱりロレンが無茶して最後はベッドで迎える。
毎度のパターンですね。
今回はサービスシーン的にお風呂回がありました。
ロレンは相変わらずの堅物ぶりを発揮しましたが(笑)
アクシデントがあって、クラースのパーティの3人組がいろいろと残念な結果に…。
そこで出会った水の精霊による依頼。
彼女が報酬として用意した中にラピスの求めていた右目が封じられた宝石があったことから、断ることもできずに汚染の原因を探るべく、湖底に赴くロレンたち。
その奥には1巻で入り込んで散々な目に遭った遺跡に似た施設を見つけてしまう流れとなっています。
温泉湖の汚染の原因は施設の稼働絡みで、その張本人はロレンが二度と会いたくなった人物なわけで…。
ロレン側は人数こそ多くても、兜*2以外のチート装備を手にしたマグナの力は強大でした。
まさに命をかけた激闘の末、限界までの力を振り絞って痛撃を加えたロレン。
相変わらず無茶しますね。
落としどころを付けたのがラピスであるあたりに黒幕ヒロインぶりを表しているような。
名が明らかになった他の邪神、および新たに色欲の邪神と目覚めたダークエロ…じゃなかったダークエルフがいったい何をやらかすのか?
今後いろいろと気になる要素を残しつつ、ロレンと彼との因縁はまだまだ続きそうです。

*1:実は女性陣の中にチンピラなど歯牙にもかけないほど強い二人がいるんだけど

*2:ロレンが火口に放り込んだので