まいん 『食い詰め傭兵の幻想奇譚8』

食い詰め傭兵の幻想奇譚8 (HJ NOVELS)

食い詰め傭兵の幻想奇譚8 (HJ NOVELS)

内容(「BOOK」データベースより)

ロレンの持つ大剣の謎を追うため、(半ば強制的に)ラピスのご両親へとあいさつへ向かうことに。魔族領へと抜ける大洞窟へと踏み入るロレンたちだが、その道中で出会ったのは、かつてゴブリンの遺跡で共闘した懐かしい顔ぶれだった。これは、新米冒険者に転職した、凄腕の元傭兵の冒険譚である―。

前巻で結果的に強欲の邪神を討伐というか捕縛することになったのですが*1、その戦闘の際に黒い大剣だと思っていたのが実は鞘の部分であり、割れて中から白銀に光る刀身が出てきました。
その大剣はそもそもラピスが実家の蔵にあったものを持ってきたというシロモノ。
改めてその謎を知るべく、ラピスの実家に挨拶がてら一緒に行って欲しいとの頼みをされたロレンなのでした。
逃亡の試みも虚しく捕まったロレンは仕方なくラピス、グーラと共に魔族領へ。
途中で砂漠の地下にある古代遺跡の施設から鉄道に乗るという体験をしつつ、人間の領域と魔族領を隔てる大山脈の麓に到達します。
無論、山越えではなく、ドワーフの案内を得て張り巡らされた坑道の中を通って行くのですが、どうやら最近入っていった者が全く戻ってこなくなってドワーフたちも困っているという。
そこで出会ったのが、かつてゴブリンの巣窟からの脱出で合同した白銀級の冒険者たち。
どうやら彼らは魔族領偵察の依頼を受けて、ロレンと同じ方向へと向かうという。
そこで協力しあって、坑道に待ち受ける障害を撃破することになります。
予想に反してだだっぴろい坑道の中で待ち受けていたのは、人並みの大きさを誇る蜘蛛の大群でした。


今回はラピスが家から出た際のエピソード(古代遺跡やドワーフとの交流)があったり、思わぬ再会がありました。
白銀級の冒険者たちは相変わらずですね。エルフのニムがロレンを「いい子」扱いするのがいつも不思議だけどしっくりくるというか。新たにグーラも加わりましたが、身体のこととか、定番だけどほっこりしますね。
ロレンたちはいつも大群の何かに追いかけられたり強大なモンスターとぎりぎりの戦いをしてますが、今回は蜘蛛の魔物。
白銀級の彼らとて、ロレンがいなければ壊滅していただろうってくらい運が無いというか、ロレンと一緒の時だからこそ災難に遭うのか。
そして新たな出会いとして、非常に珍しい蜘蛛がいつのまにか肩に付いていました。ペット枠ですが、ますます人外との縁が深まります。
そして例の男との出会いがあり、魔族領編として次巻へと続きます。
それでも最後の方で気づけばベッドに横になっているといういつものパターン。上に乗っかっていたのは・・・魔族だからだろうけど、若くて美人すぎるラピスのお母さん。
初めて絵で見たけど、親子というより少し歳の離れた姉妹と言ってもいうくらい。
でも魔王だし、見た目に反して暴れ始めたら手がつけられないのはきっと親子そっくりなんだろうなぁ(笑)

*1:その扱いは同じ邪神のグーラに一任