13冊目 『青嵐の馬』

青嵐の馬 (文春文庫)
作者: 宮本昌孝
出版社/メーカー: 文藝春秋
発売日: 2001/05
メディア: 文庫

前日に引き続き再読作品。宮本昌孝は『剣豪将軍義輝』を読んで以来、注目している若手(※)歴史作家である。本作は信長・秀吉・家康にかかわる無名だけれど魅力的な人物を描いた3編を収録。
とりわけ「白日の鹿」のお勝と「紅蓮の狼」の甲斐姫が好きだなぁ。いや表題の「青嵐の馬」の保科久太郎も悪くないのだけれどね(この人は結局、時代や権力に翻弄されて不遇な生涯を送った印象を持った)。
先の『剣豪将軍義輝』の小侍従もそうだったけれど、この人の書くヒロインは勝気で烈しい気性でありながら、いざ相手に惚れるととことん尽くすタイプで、読んでいるとつい応援したくなるのだ。いわゆるツンデレ?ちょっと違うかな・・・
ともかく読み終わった後、清らかな気分になれた作品であった。


※若手と言ったら失礼か。amazonの紹介では「俊英」とあった。なるほどそういう言い方もあるか。