『竜馬復活』とはインパクトあるタイトル考えたものだと思いましたが、別に死んだ坂本龍馬(ここでは書名通り「竜馬」とします)が生き返ったわけではありません(笑)
近江屋で殺されたのは別人であり、難を逃れた竜馬は一計を案じて死んだことにして、重大な使命を果たす為に蝦夷地へ渡る・・・そんなストーリーです。
重大な使命とは、来る新政府建設の資金調達なのですが、その為に明智光秀が残したという文書を頼りに、源義経が隠した奥州藤原氏の黄金の在り処を探るのです。
一見、歴史IFっぽい冒険小説ですが、奇説伝説の類もかなり盛りこんであるので、歴史に対して几帳面な考えの人には合わないでしょうね。
「そんなの、ありえねぇー!」という突っ込みどころはあることはありますが、それを言ったらお話が成り立ちません・・・。
竜馬に協力するのはエゲレスお夕紀という妖しい雰囲気の美女に、盗人の半兵衛。そして将軍直参の隠密や兵員不足に苦しんでいるはずの官軍の秘密部隊?まで絡んできて、なんだかなぁ〜と思いもしますが、目まぐるしい展開で最後まで気が抜けません。
薩長の面々は倒幕に関しては策略を巡らしていたものの、新政府の資金まで気にしていた人物はいないと言ってもよく*1、身分を隠して調達のために奔走するのはまさに竜馬らしい。更に途中で幕府の役人に捕まって拷問され、出身藩を問われて「日本人だ」と応えるあたりもそうです。
でも全体的に竜馬個人の魅力はさほど感じなかったのは確かです。*2
最後の場面にしても、いまいち良くわからない感じでした。