最近観たアニメ 『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』/『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』

無職転生異世界行ったら本気だす~』(第1クール)

34歳職歴無し住所不定無職童貞のニートは、ある日家を追い出され、人生を後悔している間にトラックに轢かれて死んでしまう。目覚めた時、彼は赤ん坊になっていた。どうやら異世界に転生したらしい。
 彼は誓う、今度こそ本気だして後悔しない人生を送ると。

小説家になろう』の原作小説は完結まで読んでいました。
イジメが原因で引きこもりとなった30代ニート男が親を死をきっかけに家を叩きだされ、暴走トラックから高校生を助けようとして自分が轢かれて異世界に生まれ変わっていた。
剣と魔法、様々な種族が暮らす異世界で田舎貴族グレイラット家の息子ルーデウスとして生まれた主人公は人生をやり直そうとする。異世界転生ものの先駆けと言っていいでしょうかね。
異世界転生ものって十把一絡げに『なろう』系などと称されて、現世で特別才能に恵まれずに燻っていた者が異世界に転生・転移したらチート能力を授けられて成り上がるみたいな見方をされるようです。*1
まぁ、本作の主人公も転生後の魔法能力に関してはチートでしょう。
しかし、主人公が歩む道は幾度となく困難が立ち塞がります。一度は死にかけるし、ヒロインはチョロくないです。*2
ただ、前世のイジメや引きこもりのトラウマを乗り越えて道を切り開いていく。前世では家族に報いることのできないまま死に別れてしまったため、今度こそは家族を大事にしようという心意気が描かれているあたりが感動的とも言えましょう。
もっとも、転生後のお調子者っぷりやおっさん特有のエロさが台無しにしてしまっている気がしなくもないですが(笑)
前世の諦観めいた声の渋さと夢に登場するヒトガミの胡散臭さが良い味を出しています。
第1クールを観た限り、キャラクター画・ストーリーとも満点ですね。続きを早く観たいと思わされました。


機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

第二次ネオ・ジオン戦争(シャアの反乱)から12年。 U.C.0105--。地球連邦政府の腐敗は地球の汚染を加速させ、強制的に民間人を宇宙へと連行する非人道的な政策「人狩り」も行っていた。 そんな連邦政府高官を暗殺するという苛烈な行為で抵抗を開始したのが、反地球連邦政府運動「マフティー」だ。リーダーの名は「マフティー・ナビーユ・エリン」。その正体は、一年戦争も戦った連邦軍大佐ブライト・ノアの息子「ハサウェイ」であった。 アムロ・レイシャア・アズナブルの理念と理想、意志を宿した戦士として道を切り拓こうとするハサウェイだが、連邦軍大佐ケネス・スレッグと謎の美少女ギギ・アンダルシアとの出会いがその運命を大きく変えていく。

ファーストでライバルとなったアムロとシャア。Zでは共闘したものの、遂に地球を巡って最後の戦いを繰り広げた傑作『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』は映画館でこそ行きませんでしたが、レンタルで何度も観ましたし、去年BS放送されて久しぶりに観ました。
原作と違い、劇場版の本作は映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の後継らしいのですが、原作小説は読んでいません。
というか、『逆シャア』におけるハサウェイとクエスには良いイメージを持っていませんでした。
自ら望んだとはいえ、10代で最前線で人が死んでいくのを目の当たりにしたばかりでなく、自身でもモビルスーツに搭乗して引き金を引いた。それが精神に影響するのはこれまでのガンダムの主人公と同じ。
さて、あの時のハサウェイ少年がどのような大人になっているかと興味を抱いて観てみました。
内容的には腐敗した地球連邦政府(民間人を宇宙へと移民させるものの、地球に居座って汚染を加速している特権階級)に反発する「マフティー・ナビーユ・エリン」率いる組織の戦いを描いています。
冒頭ではマフティーを名乗る偽物のテロにハサウェイが巻き込まれて、不思議な少女ギギと赴任先に向かう途中だったケネス大佐と縁ができます。
実はハサウェイ自身がマフティーであり、植物研究のために地球に降りたという名目なのですが、次第にケネス大佐が疑うようになっていきます。
ハサウェイとケネス大佐は相反する立場にありながら、相手を認めるような関係になっていきます。そこにギギを挟んで複雑にしている。
ギギを巡る三角関係はララァを巡るアムロとシャアに似ているというより、『逆シャア』におけるクエスとシャアを彷彿させるんでしょうか。
原作小説では前後関係が詳しく書かれているようですが、この映画だけではよくわかりません。
それは戦闘シーンも同じであり、唐突に戦闘が始まって、いきなりハサウェイがガンダムに乗り込んで、ガンダム同士で戦っているといった印象を受けました。
MS同士の戦闘に巻き込まれて街が被害を受け、人々が逃げ惑う様子がやけにリアルに描かれているあたりがガンダムらしさでしょうか。
クライマックスのバトルについては文句のつけようはありません。
ただ、アムロとシャアの対決の集大成であった『逆シャア』と比べると、最後までわかりにくさが残りました。
実は序章みたいなものであり、続編が作られるらしいです。


*1:実際はブラック会社社員が過労死したり、元々能力はあったが突然死。あるいは死がきっかけじゃなくて偶然もしくは神の意思など色んなパターンがある。

*2:第1クールのヒロインはエリスだと思うけど、ルーデウスは何度も暴力を振るわれて、最初から最後まで振り回されてばかり。