2期・1,2冊目 『機動戦士ガンダムⅡ、Ⅲ』

Ⅰではまだ主要イベントなどでアニメ版と共通する部分も認められたのですが、Ⅱ・Ⅲは全く別物と言っていいです。
私も含め、ある年代以上の人はファースト・ガンダムに思い入れが強いと思いますが、1stで始まったストーリーは「逆襲のシャア」で一旦終結します。*1小説版の、特にⅢはそういった流れとは一線を画しているのですよ。小説版を構想した時は続編を考えていなかったのでしょうな。筆者もあとがきでそのあたりを言及しています。*2 楽しめるかどうかは人によるでしょう。
私自身がどうしてもアニメ版と比較してしまうのは否めません。


そこでガンダムを知らない人でも楽しめるかどうかは疑問。
スペースコロニーを建設して宇宙に進出した人々と、地球に残った体制側との対立という時代背景とか、宇宙で生活する人の中から認知力の増大したというかコミュニケーション能力が極度に発達したいわゆるニュータイプが登場するあたりはまさにガンダム世界ですからね。
宇宙に進出した人類の覇権争いによる戦争の物語を書いた小説として捉えるには、内容的に不満を感じるような気がします。


内容とは関係なく、美樹本晴彦氏による表紙および口絵のイラストが凄くいいんですが、あくまでもアニメ版を元にしたもので、内容とは関係ないです(あれ見て、Ⅱでは地球上の戦いがあるのかと勘違いしてしまった)。
いわゆるサービスってやつですな。

*1:Z、ZZや外伝が完全に繋がっているとは言いがたいですが、まぁ大雑把に捉えて

*2:だってZガンダムでも登場するあの二人が、アバオアクーの戦いで死んでしまうのだから