13期・54冊目 『食い詰め傭兵の幻想奇譚7』

食い詰め傭兵の幻想奇譚 ライトノベル 1-7巻セット

食い詰め傭兵の幻想奇譚 ライトノベル 1-7巻セット

内容(「BOOK」データベースより)

規格外れに食費がかかるグーラが加入したことによってまたしても懐がさみしくなりつつあるロレン。グーラをギルドへ登録をする際のトラブルから知り合った“業火剣乱”という女傭兵絡みの依頼を、またしても金銭的な理由から引き受けざるを得なくなり―。これは、新米冒険者に転職した、凄腕の元傭兵の冒険譚である―。

著者のデビュー作の方は更新が止まったままとなってますが、本作はweb版の連載も再開されて、7巻も無事刊行されてなによりです。
6巻にて色欲の邪神ルクレツィアを中心とした騒動の結果、軍の一部が滅んだという噂が流れて、暴食の邪神グーラがロレンと行動を共にすることになりました。
そしてどうなったかというと、規格外の食欲を発揮したグーラのために食費が増大。*1
またしても金策に走らなければならないくなりました。
相変わらず金に苦労するロレンですね。
まずはグーラを冒険者登録するのですが、その際にトラブルがあって登場したのが“業火剣乱”ことティソーナという女傭兵。
その二つ名の通り、火を自在に扱うギフト持ちで、邪魔をした冒険者をいきなり燃やし尽くしてしまうという危険な女。
とはいえ、彼女も自身の後を考えない暴挙によって莫大な借金を背負っており、ある遺跡の探索を行ってお宝を得ようと考えていました。
しかし、冒険者ギルドで早々にトラブルを起こしたせいで協力者が現れず、仕方なくロレンたちが同行することになったのでした。


本人は否定するも斬風と呼ばれる凄腕の傭兵にして、内部に”死の王”たるシェーナを内包するロレン。
知識の神を信奉する神官だけど、その正体は魔王の娘であるラピス。
権能による不可視の大口がなんでも食ってしまう暴食の邪神グーラ。
この後、長らく組むことになる最強いや最凶のパーティですね。
ただし、その実力を安易に見せることができないのがデメリットでしょうか。
今回のようにティソーナの依頼で同行ので隠すのが面倒だったりしますね。
そういうティソーナも美人*2ではあるが、行動が極端すぎるようで。
巻末のラピスの回想にあるように、どこかの女たらしと同じようにギフト持ちは頭の中身が残念な人物しかいないのか?


ともかく、道中では宿場町での防衛に巻き込まれて、ついでに盗賊団の拠点制圧、要塞と化していた遺跡への侵入へと続き、奥の部屋で今回の騒動を巻き起こした強欲の邪神と遭遇・戦闘するといった流れです。こうやって書籍で読んでみると、巧く構成されていますね。
どれもこれも、普通は四人ではとうてい成しえないのに軽々とこなしてしまうところがすごいというか。かえって敵に同情してしまうくらい。
あと、今回もロレンが紳士で格好良かったです。ラピスの愛情ゲージもぐんと上がった模様。
後の話に関係するのですが、こんなところでロレンの出生の秘密に関係するっぽい出来事もありました。
次巻では以前組んだ白銀級のパーティと再会するようですね。
どうせ、ろくな目に遭わないのですが(笑)

*1:飲食店の食材を食い尽くすほど

*2:今回はサービスカット要員でもあった