13期・11冊目 『食い詰め傭兵の幻想奇譚5』

食い詰め傭兵の幻想奇譚 5 (HJ NOVELS)

食い詰め傭兵の幻想奇譚 5 (HJ NOVELS)

内容紹介
依頼の成功率は低いが、その実力を惜しんだギルドからロレンは昇格試験を受けることを打診される。
模擬戦の相手はあの女たらし・クラース。白熱した戦いを繰り広げる二人だったが、途中割り込んできた謎の女性に戦いを止められ、さらに依頼を頼まれることになり――。

4巻ではエルフと狂った妖精に”暴食”のグーラが登場。
さて次はどんな人外との出会いや滅茶苦茶な冒険が待ち構えているのか?
と思ったところで今回クラース相手の昇格試験の模擬試合中に乱入してきたのは吸血鬼の神祖ディア。
彼女が師匠の元から独り立ちするための試験を受ける同行者として、ロレンとラピスに白羽の矢が立ったのでした。((クラースはディアを見た目通りの子供として見下したために頭から埋められた(笑)))
見た目こそ幼い少女でありながら、その実年齢は500歳以上。
本気を出せば今暮らしているカッファの町どころか国さえ滅びかねない伝説クラスの実力者なのにただの人間に過ぎない自分の力が必要なのかと訝しむロレン。
ディアが言うには神祖の間でも勢力争いがあり、対立している神祖からの妨害、それも弱点をついた攻撃が予想される以上、実力ある冒険者の協力が必要なのだとか。
そうして依頼を受けてディアの試験に同行したロレンとラピスですが、早速のその日の夜のうちにアンデッド(ゾンビといくらか混じった吸血鬼)の大群の襲撃を受けます。
翌日は妨害のタイミングをずらそうと、街道から外れて予定の到達位置を変えてみても、やはり暗くなる頃に襲ってきたのはゾンビの大群に極めつけは巨大なドラゴンゾンビ。
しかもディアが突然力を失ってしまい、一転してピンチに陥ったかと思われたのです…。


個人的な実力は高くても一介の冒険者には荷が重すぎるスーパーハードな内容となるために生きて帰るのに精いっぱいなロレン。
入院費用も嵩んで(ラピスが立て替え)、余裕の無い生活から抜け出せそうにありません。もっともその一端にラピスが絡んでいるんですけど。
ようやく冒険者最底辺の銅級から黒鉄級に昇格してのお仕事は名目上は護衛なんですけど、その相手が伝説の吸血鬼であるディア。
相変わらず強力な人外に好かれてしまうというか(笑)
今回、大量の襲い掛かってくるのは2巻以来のゾンビ軍団(+低級の吸血鬼)ということで、ロレンはその大剣をもって斬りまくり、しまいにはドラゴンゾンビと一騎打ち。
そこでなんとかしてしまいそうなのが死の王を内包した今のロレンであります。
しかし、返り血というか飛び散った腐肉の汚臭やらで絵面を想像したら大変そう。
それからラピスの素のモード(言葉使いが極端に変わる)が見られました。ギャップありすぎて怖いですね。
ロレンは見ていないはずですが、ラピスの誘惑に靡かないのはなんとなく本能で察知するものがあったのかと…。


妨害の黒幕が判明し、最後に神祖シュトース自身が登場しましたが、依頼を放り出して逃げるつもりのないロレンとラピスは敵わない相手とわかっていても、戦いを挑みます。
二人が本気を出しても”思ったりより健闘している”レベルという規格外の強さを見せつけるシュトース。
そこで戦力となっていなかったディアが考えついたのは通常ならば考えられないほどに非常識な手段ですが、同時に神祖同士でなければ使えなかったのであろうなと納得。
結局、またしても最後に力を使いすぎて入院する羽目となったロレン。
ちゃんと報酬はもらえたので借金は増えていないかな。
特別製の防具ももらった上に神祖との繋がりができて上出来ではないかと。