11期・55冊目 『アンダー・ザ・ドーム3』

内容(「BOOK」データベースより)

透明な壁に閉ざされた町は独裁者ジムの手に落ちた。対抗しようとしたバービーは無実の罪で投獄され、悪意と暴力が人々を陥れてゆく。法も秩序も正義もドームの中には手を伸ばすことはできない!一方、天才少年ジョーと仲間たちは山中でドーム発生装置とおぼしき謎の機械を発見し…。破滅への予兆が高まりゆく緊迫の第3巻。

ジムとその息子ジュニアが犯した殺人罪を着せられて牢獄に入れられたバービー。
彼を救うべく地元紙の記者ジュリアや医師のラスティらはなんとか彼を救うべく動くが、逆にジムの狡猾な罠に嵌り、新聞編集室兼自宅は新たに警察官となった若者らの言う”バービーの悪辣な仲間たち”によって放火され、刷ったばかりの新聞と共に灰と化しまいます。
一方でジョーを始めとする少年少女たちはガイガーカウンターを持って探っていたところ、北東の果樹園に近づくにつれて放射能線量が極めて高くなることから、何か異常がある−本来そこに無いものがあるのではないか−と疑うようになり、親しい大人に相談したのでした。


邪魔するものを次々と排除してゆくジムがまさに独裁者と化した観のある3巻です。
バービーが殺人犯でないことを知った婦人警察官は強引に馘首されて警察は完全にジムの支配下
密かに遺体を検分した医師のラスティがジムとその息子が殺人に関与したことを確信、心臓の不整脈で急遽入院した彼に対して、薬の供与と引き換えに辞任を要求するも、逆にバービーの共犯者として牢獄に入れられてしまい、もはやその勢いを止めることは不可能かと思われるほどです。
そんな中で天才少年ジョーと仲間たちの活躍により、ドームの発生装置らしきものが発見されるも、そう簡単に撤去はできず、街の状況が変わることはなかったのでした。


近く予定されている住民集会にてジムが完全に町を掌握し、バービーらを極悪犯罪者として公開処刑に処するつもりなのですが、それを防ぐために動き出した人たちとの決着が最後で書かれるのでしょう。
さらにドームの発生装置をどうにかすることができるのか?
薬物中毒者となってしまった第一町政委員のアンディや脳腫瘍のためか妄想が進むジュニアといった不安定要素の存在。
クライマックスに向けて、様々な面で加速していった感がある内容でした。