地元の祭事当番

住まいの地域によって差異はあるかもしれませんが、だいたい住民の集まりによる自治会があって、その役員が回ってくることがあるかと思います。
以前住んでいた集合住宅でもあったし、今のところでもあります。
それとは別に地元の祭事の当番があることを去年知りまして*1、今年がその当番になってしまいました。
だいたい10年に一度くらいの間隔で回ってくるのだとか。

  • 地元の小学校をほぼカバーする大字(「おおあざ」こちらではS地区という)を代表する神社の夏祭り。
  • 同じくお寺の祭りが春と夏(灯篭)
  • 大字を更にいくつか分割した小字(こあざ)相当の地区にある小さな社*2での祭りが年に3回。

1年の間に6回行事があり、その多くが夏に集中します。
8月の最後の日曜日、ようやく最後の祭事が終わってほっとしたところです。
市が開催する夏祭りのようにたくさんの人出が集まる仰々しさこそないものの、神社や寺の祭りは地元の人がそれなりに集まり、屋台も出て賑わい、祭りらしさはあります。舞台の上でカラオケ大会とか日本舞踊を披露したり。
それに対して、小字での祭りは本当に小規模なもので、近所の人が社にお参りして当番が用意した茶菓子を飲み食いして談笑して帰るというささやかなものです。
一度だけ、ちゃんと宮司さんが呼ばれて祝詞をあげていました。
引っ越してから教えられるまでそこに社があったこと自体知らなかったし、ましてや年に数回祭事があることさえ知ることなかったですよ。
昔から住んでいる人の話では江戸時代から続く由緒ある社らしいのですが。


神社や寺の方は舞台設営に、旗や垂れ幕を用意したり、テント設営や椅子を並べたりといった肉体労働がメイン。準備と片付けが主となるので祭事中は暇でした。
逆に女性の方は茶菓子の用意や子供相手のちょっとした催しの当番があったりして、祭事中が忙しかった模様。
ともかく一日がかりです。終わると弁当やビールが出ます。
そして小字の祭事の方は半日程度で規模も小さいですが、係りとなるとそれなりに仕事があります。
こちらも準備と片付けがメインなのは変わりないですが、ともかく夏場の作業は暑くて参りました。


せっかくの休日が潰れる上に結構疲れるので、正直あまりやりたくない気持ちの方が大きい。
地元の付き合い上、義務的にやっている感じです。
実際のところ、当番も参加者も60歳以上が圧倒的に多くて、私のような現役世代は少ないです。
地元にずっと住んでいて、まだ元気な祖父祖母世代がこういった地元行事を担っている印象を受けました。
私のように引っ越してきた核家族組はこういう行事に参加したがらないし、ましてやアパートの一人暮らしの人なら尚更。
だから周りは年配の人が多くて、作業の合間でも話し相手がいなくて・・・。
その点、妻の方が地元小学校の母親繋がりで少しは知り合いがいるし、女性同士の方が会話が弾んでいるようには見えます。


昔は子供も多くて賑やかだったのかもしれないけど、今は参加する子供も少ない気がしますね。
少子高齢化が進んでいる今、10年後はどうなるんだろう?
今中心となっている6,70代の人たちから下の世代に引き継いで続けられるのかな?ちょっと疑問に思います。
環境的には違うけど、最近読んだ小川一水『美森まんじゃしろのサオリさん』を思い出しました。
こちらは過疎の村で担い手がいなくなって長らく開催されなかった村の祭りを若者たちがまったく独自の形で復活させるという内容でした。
この作品のように復活できるのは珍しい例で、実際は後継の世代が減って開催されてなくなった祭事は多い気がします。
それは地方では現在進行形なのであろうし、うちの地元の方でも将来まったく他人事じゃない気がします。


もっとも近所の当番の人(地元では顔の広い70歳代の方)から聞いた話ではやっぱり退職してから積極的に地元に関わるようになったそうで、私もその時が来たら変わるのかな?
どうしても生まれ育った土地ではないし、自分自身があまり積極的に他人に関わっていく方ではないのでついドライに考えてしまうんですよね。

*1:地域によっては自治会役員が祭事当番を兼ねることもあるらしい

*2:ちゃんと○○神社と名があるが、社の建物自体は四畳半程度の狭さ